パワーブルース・ブログ(ダイジェスト版)

第31話: 2006.01.22 Sunday

オーティス・ラッシュ : 70年代のライブ盤

 今頃(2005年)になり、こんな名盤が出るとは思いませんでした。それも、ライブ盤です。

 オーティス・ラッシュのページで、左の下から三番目で紹介しました、日本での「ブルース・ライブ!」と、ほぼ同じ頃のアメリカ・ライブですが、比較できないほどの素晴しいライブですね。

 左の下から三番目で紹介しました、日本での「ブルース・ライブ!」と、ほぼ同じ頃のアメリカ・ライブですが、比較できないほどの素晴しいライブですね。

 エピフォン・リビエラ(セミアコ)が、当時のオーティス・ラッシュのメイン・ギターと言う気がしていましたが、特にこだわりは無かったそうです。ソリッド・ギターも好きで、フェンダー・ストラト、ジャガー(ジャズ・マスター?)なども使っていますね。このライブも、フェンダー・ギターで、かなりのクランチ音と言うより、むしろ、オーバー・ドライブと言った方が、合っています。

 まあ・欲を言ってもキリが無いですが、もう少し荒いライブでも良かったかなと思います。まあ、この前年のジャパン・ライブが、ちょっと酷かったので、それよりは、ずっと良いですが。

All Your Love I Miss Loving: Live at the Wise Fools Pub Chicago

ジョン・プライマー:伝統的なシカゴ・ブルース。ベテランの味!

ジョン・プライマー
John Primer - Keep on Lovin' The Blues

だいぶ前になりますが、マジック・スリムの70年代80年代のライブを取り上げました。
80年代のライブの方で、サイド・ギターを担当していたのが、今回のジョン・プライマーです。
当時からサイドマンとしての評判も良かったですが、もうすでに10枚近いソロ・アルバムが出ていました。2002年頃になってわかったので、これ1枚しか聴いていませんが、やはり、素晴らしいアルバムを出していましたね。
もう、70年代の雰囲気を最高の音でやってます。

スリムのバンドでは10年くらいやっていたようで、私が最初に聴いた時から20年も経つのかと思うと、時の流れの速さに、改めて気付かされます・・・

で、1997年のこのアルバムが、アマゾンに無かったので、彼のベストとの評判がある、以下のアルバムをご紹介しておきます。
私自身が聴いていなくて恐縮ですが、前出のマジック・スリムやビリー・ブランチといったゲストも信頼出来ますから、かなり良いと思います。

Poo Man Blues Chicaco Blues Session 6
Poo Man Blues Chicaco Blues Session 6

John Primer

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カルロス・ジョンソン

カルロス・ジョンソン・イン・アンド・アウト
カルロス・ジョンソン・イン・アンド・アウト
カルロス・ジョンソン

これは、2004年のリリースで、ソロとしては2枚目になります。
ビリー・ブランチとのアルバムと、似た印象の曲もありますが、録音された時が近いので、当たり前と言えば、当たり前です。
どちらが良いかと言うと・・・・ビリー・ブランチのハープが良いので、今は前回紹介した方ですが、また気が変わると思うので、「その時の気分で聴く」と言った方が良さそうです。

こちらは、多くを自作曲で固めていて、ソウル、ファンキー、ジャズなど、様々な要素を感じます。カルロスに限らず、昨今のブルース・アルバムは、その傾向が強いようです。(私が聴いている範囲では)

彼のインタビューでは、若い頃はジャズをやっていたらしいので、オリジナル曲にもその感じがあります。スタンダードもやったりしていますね。

どれをやっても、彼らしさがあり、アルバムとしても内容の濃いものだと思います。


あと、2001年のソロ1枚目は、アマゾンあたりでは見かけないので、どこかで見つけたら、是非聴いて下さい。こちらの方が、よりブルースをやってる感じです。
アルゼンチンで録音されたと言うもので、あまりブルースと結びつく印象の無い土地ですが、メンバーも当地の人のようです。これも良いアルバムです。
アルゼンチン録音

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ビリー・ブランチ&カルロス・ジョンスン : その2

ドント・メス・ウィズ・ザ・ブルースメン
ドント・メス・ウィズ・ザ・ブルースメン
ビリー・ブランチ&カルロス・ジョンスン

前回から20年経った2003~2004年の録音で、日本の"P-VINE"の製作で、リリースされました。
プロデュースも日本人ピアニストの'Sumito"Ariyo"Ariyoshi'で、ピアノでも参加しています。
まさに、現在進行形のブルース・アルバムで、聴き応え充分ですね。

カルロス・ジョンソンも、2001年からソロ・アルバムを2枚出して、ここでも渋い喉を披露しています。

最新の録音ですから、音も良く、一人一人の音色もテクニックも魅力的です。

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Billy Branch & Lurrie Bell and the Sons of Blues

Chicago\'s Young Blues Generation
Chicagos Young Blues Generation
Billy Branch & Lurrie Bell and the Sons of Blues

80年代の若手ブルースマンとして評判だった、ビリー・ブランチ(ハープ)とルーリー・ベルが一緒にやっていたバンドです。初期はウィリー・ディクソンの息子がベースで参加していたようです。
で、いつか聴こうと思いながら、全然聴かずに10数年経ってから、下のアルバムを聴きました。

Where\'s My Money
Where's My Money
Billy Branch & Sons of Blues

で、こちらは、ギターでカルロス・ジョンソンが参加していて、私としては気に入ったのでした。
録音は、上のアルバムの翌年(1983年)です。

もっとも、当時はリアルタイムでのブルースをあまり聴いていなくて、総勢8名のバンドのメンバーも2人しか知らず、歌も、一応はビリー・ブランチがリード・ヴォーカルとして4曲、他のメンバーも皆歌っていて、個人よりもバンドと言う感じがします。

強いインパクトは感じませんが、やはり「様々な要素を取り入れたブルースを作ろう」みたいな意気込みを感じます。世代的(二人は1950年頃の生まれ)にロック(ビートルズ、ストーンズ、クラプトンなど)から入ったようで、この辺は私もよく分かります。

カルロス・ジョンソンだけは歌ってないみたいですが・・・

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二世ブルースマン・その三、ルーリー・ベル

Blues Had a Baby

Blues Had a Baby

Lurrie Bell

この人は、有名なブルース・ハーピスト、キャリー・ベルの息子でギタリストです。弟もいるみたいで、そちらはハープをやってるようです。
20年くらい前から知っていましたが、聴いたのはこれが初めてです。ソロアルバムとしては4枚目のようです。
ギターの腕は素晴らしいと感じます。
前回のデヴィッド・マローンと同じ世代だと思いますが、皆さん凄いテクニックを持っていると思いますね。
ただ、どの人も同じ様に、かなりブーストされた音のギターで、2~3曲聴く分には良いのですが、長く聴くと疲れる事もあります。
(この辺は好みなので、何とも言えませんが・・)

そんな中で、ルーリーのこのアルバムは、バンドもギターもかなりすっきりした音で、とても良く感じます。何曲かにハープが入りますが、ほとんどドラム、ベース、ギターのバックだけで、ちょっと70年代を感じる雰囲気があります。
バンドの音作りも、タイトでソツがなく、非常に良い感じで気持ち良いです。
ただ、残念なのは、ルーリー自身のヴォーカルが弱いと言う事で、かなり勿体無いなと思います。

それで思い出したのが、父のキャリー・ベルです。
70年頃のアルバムを時々聴き、あまり愛聴盤にはならなかったのですが、その理由がヴォーカルがあまり好きになれなかったと言うもので、DNA恐るべしと言った所でしょうか・・・
勿論、ハープは素晴らしいと思っていました。特にバスター・ベントンの好アルバム「スパイダー・イン・マイ・シチュー」でのプレイは、かなり気に入っていました。

で、「そんなにヴォーカルが良くなかったかな~」と、最近キャリーのアルバムを聴き直したら、これがけっこう良くて、改めて聴いているこのごろです。
キャリー・ベルキャリー・ベル

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二世ブルースマン・その二、デヴィッド・マローン

アイヴ・ガット・ドッグ・イン・
アイヴ・ガット・ドッグ・イン・


前回の「Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia」関係とも親交があるようで、父のジュニア・キンブロー(Junior Kimbrough:1927~1998)もブルースマンで、ジュークジョイントまで経営していたようです。

で、このデヴィッド・マローンですが、6歳頃に父のジョイントでデビューしたらしいです。このアルバム(おそらく初アルバム)は1994年のリリースで、彼が30歳ということですから、1964年生まれと言う事になりますね。

やってる事は、ブルースらしくないブルースが多い感じです。変な言い方ですが、ブルースマンが好んでやるタイプのソウル、ファンク、ロックのようなタイプを多くやってます。ストレートなブルースと言った感じではないですね。

ルーファス・トーマスのドッグ物じゃないですが、犬の鳴声を真似たりしていて、なかなか面白い曲作りです。歌も押さえ気味の唱法で、良い雰囲気です。
で、どんな活動をしているのかと思ったら、何と15年間は有名な「パーチマン・ファーム(刑務所)」で服役していたらしいです。
30歳の時のアルバムと言う事は、おそらく出所してすぐにレコーディングしたのだと思いますが、32歳の時には再度服役しているらしいので、人生の半分を刑務所で過ごしている事になります。

刑務所で作った曲が2000曲あると言ってるらしいですが、確かに膨大な時間があるので、本当かもしれません。はたして、次作はあるのか・・・
ネット上で調べましたが、今のところ見つかりません。

まだ服役中なのかな???

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二世ブルースマン・その一、デュエイン・バーンサイド

Live at the Mint
Live at the Mint
Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia
Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia

親がブルースマンで、その子供もブルースマンと言うと、ラッキー・ピーターソン(父、ジェームス・ピーターソン)、ルーリー・ベル(父、キャリー・ベル)、ロニー・ベイカーとウェイン・ベイカーのブルックス兄弟(父、ロニー・ブルックス)、エディ・テイラー・ジュニア(父、エディ・テイラー)、そして、女性ではシェメキア・コープランド(父、ジョニー・コープランド)あたりが浮かびます。

このところ、90年代から2000年になってのブルースを聴いたりしています。
そのあたりは、前々回とその前(もう、先月と先々月になってしまいましたが・・・)を見ていただくとして、U.P.ウィルソンスモーキー・ウィルソンから見ると、子供達の世代のブルースも聴きたくなってきたわけです。
(かく言う私も、その世代に近いですが・・・)

そんな中でも、最近は、南部を拠点にしている人を聴く事が多いです。
(何か、多少ワイルドかなと思いまして)

"Duwayne Burnside"は"R.L.Burnside"の子供の一人で、年齢は分かりませんが、10数人いる子供達の中では、一番素質があると、父が見込んだのかもしれません。
ヴォーカル、リード・ギターをやっていて、ジャケットも彼です。(おそらく、彼のリーダー・アルバムなので、当然と言えば当然ですが・・)

いかしたリフのファンキーなナンバーから始まり、歌も良いです。
バンドはドラムを兄弟がやっていて、ベースが"David Kimbrough Jr"(おそらくデヴィッド・マローン→次回取り上げます)
そして、キーボード、リズム・ギターと言う構成で、かなりストレートな音で好きです。まあ、今の時代の音ですから、かなりロックっぽいですが・・

それで、途中から父親"R.L.Burnside"が登場しますが、もう後は親父が仕切っている感じです。
ミシシッピー・マフィアのボスと言う感じですね。

その"R.L.Burnside"の訃報を見ました。まだ一週間ほど前の事です。
ご冥福をお祈りします。
http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/music/4207034.stm

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これでもかのゲスト陣。ジョー・ルイス・ウォーカー

Great Guitars

Great Guitars

コンテンポラリーなブルース(どこに線を引けば良いのか?)の代表的存在のジョー・ルイス・ウォーカーが、全曲に別々のゲストを迎えて、製作したアルバムです。1997年のもので、Great Guitarsってタイトルどおり、グレートなギタリスト達が参加してます。

このアルバムの良かったのは、ゲストは歌わず、多少の掛け合い的なところはありますが、ギターだけで参加している事かもしれません。(例外:唯一の女性ゲスト、ボニー・レイットはしっかり歌ってます)

そりゃ、聴きたい人もいます。オーティス・ラッシュとかね。

でもそれは各ソロアルバムとかで、いくらでも聴けますから、ここは、ジョー・ルイス・ウォーカーが歌いまくっているところで、統一感が取れている感じです。その分、ゲストのギターはどれもカッコ良いです。

まあ、何と言うか、主役が霞んでしまいそうなメンバーですが、そこはヴォーカル・ギターともに達者なジョーですから、問題ありません。

(もうちょっと下手でもいいのですが・・)

発売時よりも、時間を置いて聴いたほうが、良さを感じるタイプのアルバムかもしれません。

個人的には、アイク・ターナー、オーティス・ラッシュバディ・ガイマット・マーフィーとの曲が好きですが、タワー・オブ・パワーの参加はカッコ良いです。

他には、オーティス・グラントって白人ですが、この人が参加するセッションは魅力あります。

大ベテランのタジ・マハール、ロバート・ロックウッド、スコッティ・ムーア、スティーブ・クロッパー等など、凄い顔ぶれ・・・

(おっ!ゲイトマウス・ブラウンを忘れてた・・)

楽しめます!

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またまた気合! スモーキー・ウィルソン

Smoke N\' Fire

Smoke n Fire

Smokey Wilson

前回の"U.P.Wilson"と、多少カブリ気味のキャラですが、ウエスト・コーストで活動してるみたいです。歌・ギター共に気合の塊り!
ジャケの顔も気合入ってるし・・

最高なのは、時々発する、シャウト、うめき?の「ア~!!」と言う声でしょうか。

この人も、"U.P.Wilson"とほぼ同じ、1936年の生れです。初録が70年代後半と、やはり遅いですが、80年代~90年代に6枚くらいのアルバムがあるようです。99年には来日もしてるようです。(私、これ1枚しか聴いてません)

このアルバムは93年のもので、もしかすると1番脂がのった頃かも?
何せ、凄い元気ですからね。
また聴く楽しみが増えた一人です。

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ブルースって、やっぱり気合!?

U.P.Wilson

Boogie Boy! The Texas Guitar Tornado Returns!

若手(と言っても、40歳~50歳代)のブルースマンも時々聴いてますが、何と言うか、雑草のようなタフな感じのするブルースマンって、いまだにいるんだな~、と感じさせてくれるアルバムを、最近は捜すようになりました。

カッコウはよくなくても良いんですね。
と言いますか、カッコウ悪いのが、カッコウ良いという、逆説的な表現が当て嵌まるような人が良いです。

"Little Joe Washington"みたいな人って、そうはいないでしょうけど、70歳くらいで、タフなブルースを聴かせてくれる人は、南部やテキサスあたりには、けっこういるのかも知れません。

"U.P.Wilson"も、気合入ってます。1935年生まれで、昨年亡くなってしまいました。
このアルバムは94年の録音ですから、60歳くらいの時ですね。
私もアルバムとして聴いたのは最近で、存在は10年少し前に英国の雑誌(もう無いので、正確ではないですが)を、友人からお土産でもらって、その付録CDに1曲だけ入っているのを聴いていたのですが、気になる存在でした。

その雑誌は、おそらくJSPレーベルの、コマーシャル的に出しているものではないかと思います。(勝手な推測)

最初から、フィリップ・ウォーカーがあり、バトラー・ツィンズ、ギター・ショーティー、ラリー・ガーナー、はては、バディ・ガイ、フィリップ・ガイ、バイザー・スミスと言ったところまでが入っていました。
そんな中でも、「ブギー・ボーイ」なる曲で入っていたのが"U.P.Wilson"でした。

どうも、"U.P.Wilson"自身は、アルバムの初録音が80年代の半ば頃のようで、かなりの遅咲きのようです。
50歳くらいの時にレコード(アルバム)デビューは大物です。最近ではカルロス・ションソンやカール・ウェザースビーとかね。

で、このアルバムは、もう切れていると言うか、ストラト・サウンドそものの、ソリッドな印象が強いですが、けっこう美しくやってる曲もあり、やはり、長年のキャリアがありますから、引出しは豊富です。さらに、テキサスの音と言いますか、パキパキしたギターの音もよく使います。

それに、60歳とは言え、まだ3枚か4枚目くらいのアルバムなので、やる気を感じます。とにかく元気!

それで、ライブを捜すと、やっぱりありました。
(スタジオもライブもあまり変わらないタイプですが・・H・D・テイラーみたいな・・、サウンドは全然違いますが)
upw

Texas Blues Party, Vol. 1

ここで、ギターで参加してる"Tutu Jones"も前述の「おそらくJSPレーベルの、コマーシャル的~~」と言うCDに入ってるんですが、このライブで、最後に1曲だけリードボーカルをやっていて、その「スリル・イズ・ゴーン」が、なかなか良いです。
この人は、生年が分かりませんが、"Z.Z.HILL"のバックでドラマーをやっていたらしいので、かなりベテラン?

で、ギターにコンバートしたらしいです。

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カミンズ・プリズンファーム

CUMMINS PRISON FARMCUMMINS PRISON FARM
CALVIN LEAVY

もの凄くカッコウの良いジャケットですが、「P-VINE」レーベルとしての初期のアルバムです。今は、かろうじて1枚だけベスト盤が出ているようです。(在庫も1枚だったりして・・)

**以下がCD**

カルビン・リービー(カルヴィン・リーヴィーと書くとカッコいい)は、ローカルでしか活動しなかったようですが、このアルバムは実に緊張感があり良いです。
けっこう60年代後期~70年代の洗練されてきた音よりも、ザラッとした感触の音で、パワーを感じます。
曲自体も、当時の刑務所での、暗黙のリンチ殺人を取り上げていて、白人による、差別社会への抵抗や、怒りが歌われています。
60年代の南部では、まだかなりの激しい差別がありましたから、画期的な曲であり、南部ではかなりのヒットをしました。
アナログ盤では、兄のホージア・リーヴィーや、女性歌手が歌ったりして、何となく、ファミリーかな?と思いますが、現在出てるベスト盤はカルヴィンのベスト盤のようです。名曲「Nine Pound Steel」が入っていないのは、何故かわかりませんが、「CUMMINS PRISON FARM」は入っていて、選曲も良いです。
何と言っても、ワイルドで、ソウルフルなヴォーカルが聴きものです。アーシーなバッキングも、ジューク・ジョイントそのままの雰囲気があり良いです。カルヴィンはゴスペルのレコードもあるようで、歌唱力もなかなかです。
ローカルでやってる事が、かえって良かったと感じます。
70年頃のお勧めの1枚。

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オーティス・スパン

オーティス・スパン

オーティス・スパン・イズ・ザ・ブルース

二週間もさぼってしまいました。
この年のアン・アーバー・フェスは、亡くなってから1年ほど経過してますが、オーティス・スパンの追悼でもありました。
参加者全部ではなくても、ほとんどの人がスパンをピアノに迎えてレコード製作をしてます。1930年生まれですから、まだ40歳で、これからと言うところでした。
同じ年生れに、LITTLE WALTER(1968没)、EARL HOOKER (1970没)、BOBBY 'BLUE' BLAND(現役です)など、大物がいます。
前にもどこかで書きましたが、この頃は期待していた大物が、立て続けに亡くなった頃です。
J.B. LENOIR (1967没)、MAGIC SAM(1969没)、JUNIOR PARKER(1971没)、そして、FREDDY KING(1976没)と、いずれも30代か40歳そこそこです。

元から、メジャーなレコード活動は出来なくても、数年に1枚くらいのアルバムでもいいから期待したい人ばかりです。

オーティス・スパンに戻り、52年頃からシカゴでのレコーディング・セッションがあり、54年からはマディ・ウォーターズ・バンドのピアニストとして迎えられますが、それ以上にチェス・レコードの御用達ピアニストのようになり、ベースの「ウィリー・ディクソン」とドラムの「フレッド・ベロウ」と共に、多くのレコードにクレジットされています。

まあ、そのあたりは本家サイトでいずれ書く(当分先の話ですが)として、生々しいピアノを聴くならこれが良いです。ロバート・ロックウッド・ジュニアのギターとのコラボで、60-08-23 ニュー・ヨークでのセッションです。
二人とも、歌もギターも達者です。特にスパンのヴォーカルは、ハスキー(スモーキーとも言われる)で、聴く程に味が増します。

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無人島に持っていきたいもの

「トラックバック・BOX」と言う、このブログ・サーバーの企画の様なものですが、今週のお題が、「無人島に持って行くならこの3つ!!」と言う事で、私はやっぱりレコード(CD)になるので、この3枚。
無人島で音楽を聴く気になるかと言う疑問も残りますが、やる事がなければと言う事で・・
アン・アーバー・ブルース・フェスティバル 1972アン・アーバー・ブルース・フェスティバル 1972
まず、最近やっとアマゾンで再入荷したブルースライブのオムニバス「アン・アーバー・ブルース&ジャズ・フェスティヴァル 1972」ね。
(私が知る限り、半年以上在庫切れでした)

理由は、1枚でいろんな人が聴けて、うれしいかなと・・・
好きなブルースマンがほとんどだし、今考えれば夢のようなメンバーです。一番好みの70年頃と言う事で決まり!

次が、右のお勧め盤の下の方にある「ジョニー・オーティス・ショウ~ライヴ・アット・モンタレー」ね。これも同じ理由です。
この2枚で、ブルースとR&Bがまかなえるかな?・・
まあ、どっちもブルースなんで・・・

で、あと1枚はとなると・・・

にぎやかな「ロックン・ロール」で「リトル・リチャード」あたりかなとも思いましたが、無人島で一人盛り上がるのも何だし・・

ここは正反対の感じで、「ライトニン・ホプキンス」の弾き語り、ド・ブルースで「テキサス・ブルースマン」に決まり。
(これも右の下の方にあり。結局お気に入りなのです)

これで、1週間くらいは我慢できそうかな?

フィルモアのライブ追加

Live at Fillmore West
Live at Fillmore West
King Curtis
アルバート・キングの項で、フィルモア出演の黒人パフォーマーを知りません・・・、と書きましたが忘れてました。
この人のこのライブも名盤として有名です。あと、アレサ・フランクリンです。一緒にやったんですけどね。


この時のライブはソウルの女王「アレサ・フランクリン」のバッキングをキングピンズが務め、キングピンズのライブと2部構成で、3日間行われました。そのコンプリート盤も出ました。(4ディスク)

Don\'t Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West
Don't Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West
Aretha Franklin & King Curtis, King Curtis


カーティスの一派はフレディ・キングのコテリオン盤などのバックもやっています。
あと、オーティス・ラッシュの「MOURNING IN THE MORNING」にも参加しています。

ドラムのバーナード・パーディー、ベースのジェリー・ジェモット、ギターのコーネル・デュプリーなどバック陣が凄いです。

10年くらい若い頃も良いです。

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T・ボーン・ウォーカーのファンキー・ブルース

Stormy Monday [Beat Goes On]
Stormy Monday [Beat Goes On]
T-Bone Walker
Funky Town
Funky Town
T-Bone Walker

パワー・ブルース本家の方で、取り上げなかったファンキーな頃のT・ボーン・ウォーカーです。60年代の後半は、非常に録音が多くて、LPからCDにどのように移行されているのかとか、ジャケットの変更や曲目を調べるのが大変で、この当時のアルバムからは、68年の「I Want a Little Girl 」のみにしていたわけです。(右サイドのお勧めアルバムの中頃にもあります)

とにかく、ブルース界きっての大物ですから、何処に行ってもセッションを組みたい人達がいたんでしょうね。まあ、そんなのに全部は付き合ってはいられませんが、時々は応じたんでしょうか?、やたらと悪いアルバムがあったりします。

この2枚は67年と68年にロサンゼルスで録音されたもので、70年代には、「Stormy Monday [Beat Goes On]」は日本でも輸入盤が売ってました。私が聴いていたのは、「Dirty Mistreater」と言うアルバム(輸入盤)で、この2枚から11曲をセレクトしたアルバムでした。

この事でも分かるように、いろんなアルバムが出ていて、ましてやCDともなると、ボーナス・トラックなどもあり、調べるのがとても難しくなります。

この2枚から選曲されたCDもあったのですが、最近は見かけないので割愛します。68年の「I Want a Little Girl 」と合わせて聴けば、60年代後半のスタジオ盤の「T・ボーン・ウォーカー」の良さが分かると思います。

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T・ボーン・ウォーカー(T-BONE WALKER)のライブ盤の不思議

Stormy Monday
Stormy Monday
T-Bone Walker
B・B・キング、アルバート・キングが最も影響を受けた人と言えば、T・ボーン・ウォーカーと言うことになりますが、あれだけ録音を残しているのに、何故かライブが少ないです。実際はあるのかも知れませんが、私が知っているのはこれだけです。

このライブは1972年のモントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)のものだと思います。と言うのは、私自身1曲につき30秒ずつしか聴けないサンプルしか聴いていないからです。でも、1972年のモントルー・ジャズ・フェスティバルである事は間違いないでしょう。(クレジットには68年と書いてあるらしいですが)

誤解の無いようお断りしておきますが、この画像のアルバムをお勧めするという事ではありません。このアルバムと同じ時(1~3日違い)の音源があると思うのです。そちらは私も30年間聴いているのでお勧めですが・・・

実は、この画像のアルバムを知ったのが昨日で、T・ボーン・ウォーカーのライブ盤が出ていないかと、ネットを探しているうちに見つけました。(全然ライブのジャケっぽくない)
と言うのも、私自身30年前に友人からT・ボーン・ウォーカーのライブ盤を借りて、カセットに録り、いまだに愛聴してるわけです。で、カセットのラベルには、曲目以外には、「72.6.17~20」とだけ書いてある・・・
これは、私が書いたんですが、ライブの日にちですね。これを手がかりに探したわけです。

私が聴いてきたものと、このアルバムのサンプルを聴き比べると、サンプルは音質などが落ちるとは言え、メンバーは同じようでも、明らかに演奏が違うし、曲目も一部は一致するけど、曲順や、出来(ノリが悪いし、全体に気に入らない)が良くないと感じたわけです。
音楽は生物みたいに、その時の気分や体調はもとより、会場の条件次第で随分と違う時があります。昨日と今日でも違うので、同じ人のものとは思えない場合が多々あります。

それで、当時の録音状況などを調べていくうちに、今迄疑問だった事が、いろいろと分かってきました。


モントルー・データベース

ネット上を探すこと数時間、やっとモントルーでの正確な出演日がわかりました。カセット・ラベルに書いてあった「72.6.17~20」は → 72年の6月17日から20日で、これは、レコードに書いてあった収録日を書き写した物だと思います。
16日にチャック・ベリーのライブにゲスト出演して、17日が間違いなく正式の「T・ボーン・ウォーカー・ブルース・バンド」の日になっています。
他にも、マディ・ウォーターズからドクター・ロスやライトニン・スリムと言ったブルースマンも出演していて、豪華で面白そうな面々が沢山出演してますね。ちなみに16日と17日は以下のようになってます。

BO DIDDLEY & COOKIE VEE WITH THE ACES (June 16, 1972, Montreux Pavillon)

CHUCK BERRY & T. BONE WALKER (SPECIAL GUEST) (June 16, 1972, Congrès Montreux)


THE ACES WITH CHUCK BERRY & BO DIDDLEY (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

T-BONE WALKER BLUES BAND (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

MUDDY WATERS (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

ここから推測になりますが、他の日は「T-BONE WALKER BLUES BAND 」は書いていませんから、私が聴いているのは、18日~20日の3日間の演奏を収録したものと思われます。場所はわかりませんが、モントルーの街のどこかだと思います。


このアルバム(私が聴いてる方で、この画像のではない)の魅力は、少ないT・ボーン・ウォーカーのライブ盤と言うこともありますが、何と言っても、72年と言う一番面白い時代のライブであると言う事です。
初めてブルースを聴くという人は、かなり戸惑うかもしれません。演奏のルーズさや音の外れたりする感覚は、ちょっと慣れが必要かもしれません。
とにかく、各プレイヤーが好きにやっていると言った感覚で、それがファンキーな曲をさらにファンキーにしている感じです。
T・ボーン・ウォーカー自身はほとんどギターを弾かず、おそらくエレピ(電気ピアノ)を弾いていたと思います。(確かジャケットにはそんな写真があったような?)
そのエレピが妙にカッコ良いのです。何故この音源が現在発売されていないのかなと思いますね。

次回はこの時期のT・ボーン・ウォーカーの、カッコいいファンキー・ブルースのスタジオ盤です。やっぱりT・ボーン・ウォーカーは凄い!!

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B.B.キングも60年代のライブが一番!

ライヴ・アット・ザ・リーガル
ライヴ・アット・ザ・リーガル
B.B.キング

結局前回、さらにその前と同じで、60年代の後半~70年代前半の音とか、スタイルが好きなんだなとつくづく思います。今でも一番聴いてるもんね、何だかんだ言って・・・

で、今更と言う気もしますが、フレディ・キングとアルバート・キングを書いたら、やっぱりこの人も書かないわけにはいかないにで、パワー・ブルース本家と同じ3枚になりますが、64年のシカゴ・リーガル劇場のこれがベストかなと思うわけです。右の「お勧め盤」のもあるけど、こっちはオリジナルのジャケット。
ジャケットも変わらない方が嬉しいですが、何故変わるのかな?

ブルース・イズ・キング
ブルース・イズ・キングピクトこちらは、66年のシカゴのクラブでのライブ。この2枚がアルバート・キングのフィルモアにあたるかなとも思います。数年先行していますが・・・
B.B.キングは、50年代にブルースの歴史的なシングルを多数発表していますから、正統的?なバンド・ブルースのプロト・タイプと言っても良いようなライブです。
アルバート・キングはロック、ソウルとうまく結びついた感じで、甲乙付けがたいです。

クック・カウンティー・ジェイル
Live in Cook County Jail (Rmst)ピクトこちらの刑務所慰問ライブも気合が入ってます。囚人のブーイングに、しっかりとプリーチングで返していて、貫禄も充分。すでに、ブルース史上でも最大(当時)のヒット「スリル・イズ・ゴーン」も出して、自信満々と言ったところでしょう。
このすぐ後のジャパン・ライブも評判良いです。

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アルバート・キングのライブ10年間・パート2

アル・クーパーとマイク・ブルームフィールド
Live Adventures Of Michael Bloomfield & Al Kooper
昨日の続きと言う事で、「フィルモア」のオーナーがユダヤ人のプロモーター、ビル・グレアムで、ポール・バターフィールド、マイク・ブルームフィールドと言った人達、さらに、ボブ・ディラン、アル・クーパーもそうなのですが、それは昨日と同じく、ここを見てもらうとして・・

ビル・グレアムは1931年にベルリンで生れています。こう書けば察しがつくと思いますが、当時のベルリンでは、すでにナチスによる迫害が始まっていました。彼が生れて間もなく父は亡くなっていて、母は、何人かいた姉達と彼を国外に逃がすのに奔走したようです。
結局、家族は離散してしまい、彼はただ一人になってしまいました。そしてアメリカへ逃げ延びるのですが、まだわずか10歳の時です。その後の苦労や孤独感などは並大抵の事ではなかったでしょう。

まあ、このような事を詳しく書くほど知っているわけではないので、フィルモアについてです。彼はニューヨークで育つのですが、離れ離れになっていた姉が西海岸に移住していたのをきっかけに、サンフランシスコに縁をもちます。
1965年12月に、サンフランシスコのフィルモア通りにフィルモア・オーディトリアムを開業します。ここが西海岸のロックの中心地になっていきます。68年になり3月に、ニューヨークに「フィルモア・イースト」という名前でライブ・ホールを開業します。この時のこけら落としにアルバート・キングも依頼されたわけです。
そして、間もなく6月に、フィルモア・オーディトリアムを移転して、「フィルモア・ウェスト」として新たに開業しました。
簡単すぎる解説ですが、フィルモア・イーストはニューヨークに、フィルモア・ウェストはサンフランシスコにありました。
私は10代の頃には、フィルモアと言う都市の東と西に在るものと勘違いしてました。

あと、紛らわしいのが「モンタレー」と「モントルー」です。どちらもフェスティバル会場として有名ですが、カタカナで表記されると、どっちか分からない時があります。「モンタレー」を「モントレー」と書く人がいたりします。
もっとも、最初私は一箇所しかないと思ってました。書く人が、それぞれ勝手にカタカナ表記をしているんだろうくらいに考えていましたね。

「モンタレー:Monterey」と言う町は、サンフランシスコの近くにあります。ここは、ポップ・フェスティバルの会場で有名です。「モントルー:Montreux」は、スイスの国にあり、ジャズ・フェスティバルで有名です。


話がすぐ横道に行ってしまいますが、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドを西海岸で白人に紹介したのも、ビル・グレアムです。彼らは白人と黒人の混成バンドでした。また、アルバート・キングを最初のブルースマンとして起用したのも、白人・黒人の混成バンドでやっていたからでしょうね。
白人社会と黒人社会のパイプ役的な存在を果たせたのは、そのような境遇のビル・グレアムだからこそ出来たのではないでしょうか。
彼がいなければ、アルバート・キングの名盤も誕生しないし、ブルースとロックの関係も大分変わっていたと思いますね。

アル・クーパーも、いろんな形でブルースと関わってきた人ですが、2000年になり、サン・シールズのアルバムに全面参加してます。これは、エグイ・太いブルースが好きな方にはお勧めです。
サン・シールズ
レッティン・ゴー

アルバート・キングのライブ10年間・パート1

ライブ・ワイヤー
Live Wire, Blues Power
前回のフレディ・キングとくれば、今回は当然のごとくこの人です。このアルバムは、アルバート・キングの数多いアルバムの中でも、常に上位に挙げられるもので、フィルモア・ウエストでのライブです。
1968年のものですが、60年代の後半から70年代前半にかけてのライヴ盤でよく見かける「フィルモア」というのは、イーストとウエストがあり、ロック界では有名なプロモーターである、ビル・グレアムがオーナーです。

ちなみに、この人はユダヤ人ですが、アメリカの白人ブルースに関連する人に、ユダヤ人の名前が多く見られます。例えば、ポール・バターフィールド、マイク・ブルームフィールドと言った人達は、名前も似ていますが、共にユダヤ人ですボブ・ディランもユダヤ人で、10代の頃にブルースマンの「ビッグ・ジョー・ウィリアムス」について廻った事が、大きく人生を左右したと言います。さらに、アル・クーパーもそうです。
また、この人達は互いに音楽的にも仕事的にも、複雑に結びついています。この辺りは近々に書きたいと思います。またフィルモアについても、次回にでも触れます。

さて本題のアルバート・キングですが、昔から有名なアルバム「ライブ・ワイヤー」は、1968年の7月26日(水曜日)と27日(木曜日)に行われたライブから、あまり知られていない曲を選んで編集されたもので、長いスローのインストなどを収録するコンセプトで作られました。

ライブ盤にしては、曲数も少なくて、聴き足りないものですが、それを補完するのが、以下の2枚になります。この2枚を追加すると2日分のコンプリートになると思われます。
フィルモア・ライブ水曜日
Wednesday Night in San Francisco: Recorded Live at the Fillmore Auditorium
フィルモア・ライブ木曜日
Thursday Night in San Francisco: Recorded Live at the Fillmore Auditorium
フィルモアはロックがメインの会場で、ブルースとしてはアルバート・キングが最初の出演者です。当時はまだ人種差別の問題も大きく、公民権運動の最中でしたから、いろいろな事情がありました。
私も他に知っている黒人のメイン・パフォーマーは、ジミ・ヘンドリックスくらいです。

そして、「ワッツ地区でおきた暴動」の7周年を記念して、1972年の9月20日に、ロサンゼルスのメモリアル・コロシアムで行われた、スタックス・レコードのアーティス達によるライブでのアルバート・キングのテイクが5曲と、モントルーのライブが4曲収められているのが以下。
このワッツタックスでのアルバートの音が、個人的には大好きです。ソリッドでドライブしている強烈なギターですね。特に、「Match Box Blues」の世界は、アルバート以外には考えられない音です。
モントルーの4曲は、1973年のアウト・テイクを穴埋め程度に付け加えられた感じで、以前から出ていた、下にある「Blues at Sunrise: Live at Montreux 」の方が、やはり良いテイクを集めたみたいですね。
ワッツタックス
Blues at Sunset

こちらの方が、先に出ていたもので、1973年のモントルーのライブですが、ヴォーカルが冴えていて、聴き応えがあります。
モントルー
Blues at Sunrise: Live at Montreux


それで、10年の締めくくりで、1977年のモントルーでのライブですが、アナログ盤より2曲カットされてますね。私などはリアルタイムで聴いたアルバムなので、とにかく好きなアルバムでした。
今聴いてどうかと言うと、ここに挙げた10年間のライブは全て良いです。やはり、この頃のアルバートは凄い!
ライブ
Blues at Sunrise: Live at Montreux
これ今在庫切れですね。

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フレディー・キングの音

フレディ・キング
Larger Than Life
今回が何故これかと言いますと、前回のフェントン・ロビンソンのアルバムのバックミュージシャンが、フレディ・キングのバックなら結構良いアルバムを作るかもしれないと思ったからです。

フレディ・キングのこのアルバムには思い入れが強くて、アルバート・キングのスタックス~ユートピア・レコード時代と並んで、最も聴いたアルバムです。私が20歳くらいの時ですが、このアルバムを買ってから、1年もしないうちにフレディが亡くなってしまったんですね。かなりショックでした。

このアルバムは3曲がスタジオ録音で、6曲がライブです。B面は全部ライブで、A面は2と3がライブです。どうせならライブを連続で収録してくれた方が良かったですが・・・
A:
1.It's Better to Have (And Don't Need)
2.You Can Run But You Can't Hide
3.Woke Up This Morning
4.It's Your Move
5.Boogie Bump
B:
1.Meet Me in the Morning
2.Things I Used to Do
3.Ain't That I Don't Love You
4.Have You Ever Loved a Woman
フレディーは1950年代の初めからシカゴを中心に活動していますが、有名になるのは「Federal Records」時代で、1960年の「Have You Ever Loved a Woman」からです。「コテリオン・レーベル」から、ロック・ミュージシャンのレオン・ラッセルらが設立した「シェルター・レーベル」へ、そして最後になった「RSO・レーベル」へと移籍します。
このアルバムは1970年代当時では最新のアルバムで、74~75年頃のライブですから、ギター弾きの私としては、ライブでの演奏の抑揚や、持って行き方のようなものに感銘を受けました。
有名な、ギター・スリムの「2.Things I Used to Do」などのスロー・ブルースの持って行き方は、それまで聴いていたロックなどでも常套手段と言えますが、やはり迫力が違うなと感じました。
スタジオ録音の方は特別好きではないですが、ライブに関しては、今聴いても良いなと感じます。
ブルース・ファンには不評ぎみのアルバムですが、ライブとしては、後のブルースマンにも影響している部分があると感じます。90年代のルーサー・アリスンあたりと聴き比べるのも面白いですね。元々ルーサーはフレディにはシカゴで面倒みてもらったりしてましたから、かなり影響を受けていると思います。

あと、1966年のテレビ番組のスタジオ・ライブ・ビデオがあります。これはフレディの迫力ある歌・ギターが見られます。何とバックはゲートマウス・ブラウンのバンドです。皆、若くてバリバリしています。
このビデオに、3曲だけ73年のスゥエーデンでのライブがあり、このアルバムと同じ様な感じでやってます。数年間での音や衣装などの極端な変化も面白いです。
Beat 1966
同じDVDもあります。
伝説のテレビ映像「ザ・ビート」



アルバート・キングの場合は、アルバムにするとスタックスからユートピア~トマトあたりまでの10枚近くにわたり、その時なりのバック陣の音に上手く溶け込んでいた感じがします。
ですから、どれもそれなりに良かった気がするわけです。あのモゴモゴした声と、独特の粘りを持った抜けの良いギターが不思議と何にでもマッチしちゃうんですね。

フレディ・キングも同じ様にストレートなブルース・スタイルからレーベルを代えながら、自分のスタイルを築いて行くわけですが、アルバートと違ったのは、自分のギターの音も変えたところでしょうか。
コテリオン・レーベルからシェルターに移籍した頃に、一気にブーストした音になりました。このあたりがブルース・ファンにはもう一つ不評だった原因でしょうね。
でも、私はこの時の変化が良いと思っています。コテリオンよりシェルター(特に3枚目のウーマン・アクロス・ザ・リバー)の方がイキイキと感じます。

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フェントン・ロビンソン 名盤のはずが・・・

THE GETAWAY
このアルバム「The Getaway」は1970年代の後半に買ったと思います。つい最近になって聴き直すまでは、買った当時に5回くらいしか聴いていませんでした。
名盤の「サムバディ・ローン・ミー・ア・ダイム」を聴いた後では、聴くに堪えない、最悪に近いアルバムだと思っていました。
一番の理由は、ギターの音が大嫌いな音だと言う事で、それも、フェントン自身が弾いているのではなく、ロック系のスタジオ・ミュージシャンではないかと思われます。
フェントン自身が弾いているなら(勿論こんな音で弾くとは思えませんが)、革新的なフェントンが、「何かにチャレンジしているのか」などと、良い方に考えられない事もないのですが・・・
実際はそれも無理がありますが・・・

あと、プロデュースがそのバンド(おそらくハウスバンドかな?)のベーシストで、楽器の数や、ホーンのアレンジなどにしても、やたらと入れている印象が強く、フェントンの持ち味を生かさない方向に持って行こうとしているとしか思えないのです。
それで、最近になり、押し入れからこのアルバムが出てきたので、良い印象は無いのですが、貴重なフェントンの音源だと思い、再度聴き始めたわけです。
それで、半分は我慢をしながら、数十回聴き直しました。
ついでに解説文などを読んだりして、当時を思い出しますと、同じレーベル「セブンティ・セブン」から、これよりひどいのが出ていました。
で、私はそれ(マンデーモ-ニング・ブギ・アンド・ブルース)は買わずにこちらを買ったわけですが、こっちがこれですから、そっちはどれだけひどいのか・・・

それで、その両方(セブンティセブンの全録音と思われます)が入っている、下のアルバムを見つけました。何でこんなのを取り上げるかというと、すごく安いからです。

19曲も入ってますが、私は上記のアルバム9曲しか聴いていません。その9曲のうち、フェントン自身がギターを弾いているのが半分くらいで、あとは歌のみと言う事です。
それで、改めて感じたのは、やはり歌の上手さで、半端な上手さじゃないのですね。全曲ではないですが、タイトル曲の「ゲッタウェイ」などは、ホント凄いです。これでギターもフェントンなら、最高の曲になるのですが・・・
こんなバックで、自分でギターも弾けないとなると、テンションも落ちるものですが、それでも頑張って歌っている曲などは泣けますよ。情けなくて・・・

そんな曲がほとんどなのです。とても、もったいない事です。
やはり稀有のブルースマン「フェントン・ロビンソン」は、歌ってギターを弾いて、初めて最高のパフォーマンスなのですね。

今更、「たら」や「れば」を言っても仕方ないですが、アルバム「The Getaway」に関しては、フェントンが全曲ギターを弾いていれば、間違いなく名盤でしょう。
フェントン・ロビンソンの初録音は1957年の「ミティア・レコード」で、以後マイナー・レーベルですが、レベルの高い作品を残し、67年には名曲「サムバディ・ローン・ミー・ア・ダイム」をパロス・レーベルから出しています。
そして69年から5年契約で、この「セブンティセブン」に在籍するわけですが、細かい事は抜きにして、71年に8曲録音された、ナッシュビルでの録音が評判悪いようです。
同じ71年のメンフィスでの録音8曲は、そこそこギターは弾いていて、その内の6曲と、69~70年に録音された3曲で、アルバム「The Getaway」は構成されています。

まあ、700円台なら買ってもいいのかな、と言うアルバムです。いや、曲の良さとヴォーカルの良さで、聴く価値は充分あります。(最近の本心)


他の10曲は聴いていないのでコメント出来ませんが、数十回も続けて聴いていたら、私、アルバム「The Getaway」が好きになりました。(本心です)


Mellow Fellow
Mellow Fellow
Fenton Robinson
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マジック・スリムの2 (続き)

Black Tornado
Black Tornado
Magic Slim & the Teardrops

前回、コンスタントにアルバムが出ていると書きましたが、スタジオ録音で、
Highway is My Home (Black and Blue, 1978)
Live'n Blue (Candy Apple, 1980)
Raw Magic (Alligator, 1983)
Gravel Road (Blind Pig, 1990)
Scufflin' (Blind Pig, 1996)
Black Tornado (Blind Pig, 1998) 私、これ好きです。
Snakebite (Blind Pig, 2000)

と出ています。さらに、例のシリーズ「Zoo Bar Collection」があり、それ以前のライブがいくつかありますから、70年代~2000年頃までのブルースマンでは、かなりの数だと思います。バディ・ガイやオーティス・ラッシュでも10年くらい録音してない時期がありますから、それから考えても凄いなと思いますね。
デビュー・アルバムのメンバー
どこに人気の秘密があるんでしょうか。
私なりの考えですが、顔と雰囲気が、正にブルースを感じさせてくれるのが一番で、次に、怖そうだけども、気の良いタイプを思わせる。(実際はわかりません)
そして、結構シタタカなのかな?と言うところです。
「気が良い」と言うのは、ライブでもリクエスト曲があると、かなりやってくれるらしいです。
で、シタタカなのかなと思うのは、上の裏ジャケットに曲目がありますが、私が買った時に、まずアルバート・キングやビー・ビー・キングの曲をはじめ、馴染みのある曲が多かったので、買ってみたわけです。

それで、コンポーザー(曲を作った人)を見たら、7曲中5曲に「Morris Holt」とあるんですね。これってマジック・スリムの本名です。

それで、よく見たらアルバート・キングの「DON'T BURN DOWN THE BRIGDE」と思っていたのが、「BURN DOWN THE BRIGDE」で、「DON'T」が無い。

さらに、アルバートの「BORN UNDER A BAD SIGN」だと思っていたら、「BORN ON A BAD SIGN」で、下か上かの違い・・・
「これは反則では無いのかな~」などと考えた次第です。

で、曲はそのままアルバートと言う感じで、ギター・フレーズまでやったりしてます。

あと、上のジャケットの写真の下2枚は、実の弟で、おそらく無理やりやらしてるのでは?などとも思いました。あまりやる気無さそうだし・・・
でも、ベースの「Nick Holt」は後々まで付き合ってます。

最後に、マジック・スリムのジャケットって、どれもアップに近い自分だけのが多いです。結構「俺がブルースだ!」って感じで、聴いてみたくなりますね。ブルース好きとしては。

まあ、こんなタイプのブルースマンは、もう出ないだろうな~、戦前生まれの「サン・シールズ」くらいかな、対抗できそうなのは。

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マジック・スリム。これぞ60年代から続くシカゴ・ド・ブルース

マジック・スリム
前回のマジック・サムのクラスメイトで、サムのバンドでベースも弾いていたと言う、まぎらわしい名前の「マジック・スリム」のデビュー・アルバムです。60年代のシングルも、どこかで見た事がありますが、正確にはわかりません。50年代からシカゴに出て、サムについていたりしたようですが、音楽的な評価は低かったようで、郷里に戻ったりしていたようです。

マジック・サムの録音に参加してるのかは分りませんが、彼自身は60年代頃も、地道にライブ活動をしていて、それが76年のこのアルバムで認められたようで、メジャーな存在になったようです。

勿論起伏はありますが、その後もコンスタントに録音があり、相当数のアルバムが出ています。特に82年の「グランド・スラム(Grand Slam)」の評判は高いです。
スタジオ録音に加えて、ライブ盤がかなりあり、CDでは以前にパワー・ブルースの方でご紹介した「BLUES FROM THE ZOO BAR」を含む「Zoo Bar Collection」と言うシリーズの様なのがあり、「Vol.5」まであります。

このアルバムもライブのようです。と言うか、ライブです。「マディソン」とあるので、ニューヨークだと思いますが、フランス盤なのでよくわかりません。一応、曲間に数人の拍手が入るので、きっとライブ・ハウスでしょう。(信じられないくらい少ないですが・・)

最初に聴いた時は、「雑なバンドだな~」と言うのみで、それ以上のものは感じませんでした。ドラムは走るし、ベースもサイド・ギターも取って付けた様な・・・・

一つ魅力があるのは、「ヴォーカルが太いのと、ギター・ソロをいかにも握力のありそうな音でガンガン弾いてくれることかな」くらいに思ってました。

このアルバムの録音は1976年で、私が買ってきたのが80年代の初め頃だったと思いますから、数年遅れで聴いたわけですが、当時は「こんな荒い、チープなサウンドでやってるバンドが今時あるんだな」が正直な感想でした。

その時一緒に買ってきた、「マジック・スリム&ザ・ティアードロップス」としてのライブの方が、かなり気に入って聴いてました。
(これはパワー・ブルース・サイトで紹介してます。少し訂正しないと・・・、3年前に書いてそのまま・・)
これもCDを探したら、上述のシリーズに組み込まれていたいたわけです。


これが「Born on a Bad Sign」に5曲追加されたものです。
Magic Slim, Vol. 1: Born on a Bad Sign
Magic Slim, Vol. 1: Born on a Bad Sign
(今、リンクチェックしたら在庫切れでした・・・)

で、上述の「BLUES FROM THE ZOO BAR」を含む「Zoo Bar Collection」と言うシリーズの様なもののVOL.2がこれです。こっちは、ジョン・プライマーと言うサイド・ギタリストに替わっていて、70年代後期から80年代初期頃の雰囲気の良いライブで、かなり良いです。出来ればシリーズ全部聴きたいところですが、取り合えずこれを。Zoo Bar Collection Vol.3

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マジック・サム。やっぱり天才! 一番可能性を秘めていた人

マジック・サム
この人は本当に期待していました。ブラック・マジック:BLACK MAGICが最後のアルバムですが、このアルバムはまだご紹介していませんでした。亡くなってから数年して出たもので、デビュー作のコブラ・レコードのもの(1957~1958年頃)です。

実は近年までそれほど良いと感じなかったんですね。当時(60年代後期)すでに「デルマーク」から、名盤と言える2枚のアルバム(ウエスト・サイド・ソウルとブラック・マジック)が出ていて、オムニバス(スィート・ホーム・シカゴ)でも最高のテイクが聴けましたから、10年近く古い録音をそれほど聴きたいと思わなかったわけです。

同じ頃に録音されたコブラ時代では、「オーティス・ラッシュ」の方が、あまりにもインパクトがあったので、つい、そっちに行ってしまったんですね(ラッシュはライトプレイス・ロングタイムが出るまで良いのが無かった)。

それに、前後して「伝説的なライブ」が出たので、向こうも録音が悪いですが、それ以上に内容が凄かったですから、このアルバムが浮いてしまったわけです。

マジック・サムが亡くなったのは、1969年の暮れでしたから、本当に短い期間(10年と少し)しかレコードが無いのですが、70年代に生きていたら一番聴きたい人ですね。

で、このアルバムを聴いて、20歳くらいですでに、やってる事が斬新で完成度も高い事に改めて驚くわけです。それで同じ様なアルバムを探したら、デルマーク移籍以前の「クラッシュ・レーベル」での最高のテイク「Out Of Bad Luck」を含む、上のアルバムに17曲も追加されたCDが出ていました。これはかなり欲しいです。
返す返すも、「70年代にどんな事をやったのかな~」と思います。実際はそれほどの事はやらなかったかも知れませんが、存在だけでも周りの人達に与える影響もあったでしょうしね。ラッシュ、バディ・ガイとか、似た名前の「マジック・スリム」とのカラミとかね。(スリムはサムの同級生で、サムのバンドでベースも弾いていました)

アウト・オブ・バッド・ラック・・ザ・コブラ、チーフ&クラッシュ・セッションズ 1957-1966
アウト・オブ・バッド・ラック・・ザ・コブラ、チーフ&クラッシュ・セッションズ 1957-1966
マジック・サム

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バディ・ガイの暗くて重~い1枚

ストーン・クレイジー
ストーン・クレイジー
バディ・ガイ

パワー・ブルースでは何故かこのアルバムは取り上げていなかったですが、何故だろう?・・、もう3年以上前に書いたので、その時はきっと聴きたくなかったアルバムだったんだと、今自分で勝手に解釈してます。
まあ、誰にでも勧められる感じのアルバムじゃないと思ったんでしょうね。とにかくヘビーなんですね。かと言って重低音と言う意味ではなく、むしろ音はシンプルなメンバー構成(ドラム・ベース・ギター2本)で、一人一人の音が明確に聴こえるというものです。
79年の録音ですが、当時は私もバディ・ガイのアルバムを探すこともしていなくて、60年代の後半のアルバムをよく聴いてました。「チェス」では良いアルバムが出ていますし、その後の「ヴァンガード」でも2枚気に入ったのがあって、おそらくこの後はスタジオ盤はあまり出ていないような気がします。
75年には日本でのライブ盤も出てはいますが、それはそれとして、かなり鬱積するものがあったのでしょうか、もの凄く力が入っています。よく唸っているし、何となくライブのような雰囲気があります。
1曲目からマイナー・キーのスロー・ブルースというのもアルバムとしてはあまり無いような・・・
6曲中4曲がスローの長編版と言うのも、印象の重さに拍車をかけてますね。
バディの歌もまとわり付くようなねちっこさがあり、好きになれない人も多いでしょうね。
でも聴くほどに、70年代のブルースらしさを感じるんですね、最近ですが・・・
何か良い具合の荒さがあって、技術的にも高いものあると思います。ドラムなどもかなりカッコ良いです。間と言うか、いい空間を出してると思います。ベースも安定してカッコ良いです。この頃はファンクやフージョンを多少なりともやってきた人が多いですから、きっとレベルの高い人がゴロゴロいたんでしょうね。
来日のライブだけに付き合っていたような無名の若手のような人にも、かなり光る人がいましたからね。
そんなんで、最近やけに見直してるアルバムです。

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やっぱり映像付きは良いかな?

Blues Summit
(ビデオ品切れで、DVDも日本向けは品切れでした。輸入盤が見れるかたはどうぞ。)

このところビデオを見る事が多くなってきました。元々映像の力は分かってますが、聴く事が好きなので、特別ビデオでなくても良いと思ってます。全然無いのは困りますが、ビデオだと他の作業が出来なくなってしまうので、ほとんど見ないですね。
それが最近、よく見るようになったんですが、それにしてももの凄い数のタイトルが出ていますね。

ビー・ビー・キングともなると、どれだけあるのか分かりません。まだ探してはいませんが、60年代のライブなんかがあれば欲しいですね。「リーガル」のライブなどは、きっと無いでしょうね。
先週あたりから、アルバート・コリンズのライブを聴いてて、映像も見たくなり、ビー・ビー・キングのライブに参加してたのを思い出し、「ブルース・サミット」を見てみました。

今までは気にしないで見ていたんですが、マウント・フジの少し後の録画だったんですね。ちょっと元気が無いと思っていたんですが、「御大の前で遠慮しるんだろう」くらいに考えてました。でも、今見ると、顔が疲れています。きっとこの頃から体調が悪かったんでしょうね。この半年後くらいに亡くなったんですね。

まあ、ビー・ビー・キングの呼びかけですから、メンバーは豪華です。老若男女を集めていますが、若手(と言っても40~45歳)のジョー・ルイス・ウォーカーとロバート・クレイは、いかにもコンテンポラリー・ブルースマンと言う感じで、スムースでライト感覚ですね。ジョー・ルイス・ウォーカーなどは、トップで登場したせいか、気合が入った歌までは良かったんですが、ギター・ソロになったら、音が引いちゃったですね。本当はバシッと決める筈だったんですが、あれはミキサーのミスかシールドの接触不か?・・残念!

バディ・ガイはロックした音で、アルバート・コリンズも顔は元気が無かったけど、ギターは相変わらずウマイです。彼の凄いところは、カンが良いと言うか、バッキングなどをやっても、天性のバランス感覚を持ってますね。昔、デイブ・アレキサンダー(名前忘れた)だったと思いますが、3曲くらいバッキング・ギターで参加してるのを聴いた時から「この人は本当にギター人間だ」と感じていました。
歌は上手くはない(と言うより声量不足ですね)のですが、ブルースマンは歌いたいものなのです。

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もう30年?・・まだ30年・・

1978年だったと思いますが、ボビー・ブランドと一緒に、ゲートマウス・ブラウンが来日公演をやりました。普通なら単独でライブをやる大物二人ですが、当時の日本での知名度(ブルース音楽自体の認知度)が低かった為か、二人を同時に見て聴けると言う、願っても無い事でした。
日比谷公会堂でしたが、ブルース・ライブはよくやっていた記憶があります。
内容はもう覚えていませんが、単独でやった後にセッションを少しやったような気がします。何にしても、私の大好きな二人でしたから、非常にうれしかったです。
最近になって、このDVDを見ているんですが、1984年にニューオリンズで行われたライブなので、私が見た時から5年と少し経った頃ですね。やってる曲なども当時よく聴いていたアルバムからが多くて、当時が蘇えるようです。
考えてみたら、ステージまでは10メートルくらいはあったと思うので、アップの顔を見たのは、この映像が初めてです。けっこう怖くない(怖いので有名?)
全部顔だけと言うレコードジャケットもありましたが、動いているのは初めて。ここで見てね

ビデオが無いので、DVDになりますね。
リージョン・コードは海外のようです。ビデオもそうだったけど、規格の統一って出来ないのかな。
以下の様ですので、対応するプレーヤーをお持ちの方はどうぞ。
リージョン 1 (米国、カナダ向け 
※日本国内(リージョン 2)用のDVDプレーヤーでは再生できません)

Blues of
Blues of

この人はブルース界でも有名なテクニシャンで、テキサス・ジャンプの雄です。B.B.キングと同じ世代で、1924年生まれですから、80歳を越えましたが、B.Bと共に現役でやっています。
逆算すると、来日時の年齢は53歳くらいと言う事になりますが、今の私とそんなに違わないじゃないですか。えらいオッサンに思ってましたが、若い人から見るとそうなりますね。でも実際は、84年のこのライブでもわかりますが、一番良い頃だったんだと、改めて思いますね。まあ人それぞれに個人差がありますが、50歳くらいのブルースが一番良いと昔から思ってます。
アルバート・キングもそうだし、ハウンド・ドッグ・テイラーもハウリン・ウルフもそう感じます。
もっとも、そこまで生きていてくれればなんですが、残念ながら30歳代くらいで亡くなる人が多いんですよね。
前回書いた、アルバート・コリンズのビデオもいくつか出ていますが、私がよく見ていた83年のカナダでのライブは見つからず、「マウント・フジ」のDVDがあったので、掲載します。CDの内容は良いので、きっと良いと思います。
切れてる!コリンズ
Iceman at Mount Fuji
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10年も20年もアッと言う間・・

ちょうど10年前になるかな、十二指腸潰瘍(10代から痛みがあって、病院は10ヶ所くらいで、20年間にも渡り、レントゲンやらエコーやら胃カメラなどの検査をやって、どの病院でも原因がわからず、結局40歳になって、ある胃腸科でカメラを呑んだら、その先生はすぐに潰瘍を見つけました。それまでの病院は何だったんだ!)

前置きが長くなりましたが、その病院の帰路に何となく、駅と駅の中間くらいにある(場所からして中途半端)、デパートのような大きなスーパーのような、中途半端な店に入ったんですが、そこにCDコーナーがあって、ブルースが5枚くらい置いてあったわけです。

その中に、「アルバート・コリンズ」があって、やっぱり売れてんだなと思ったのですが、それが何と「追悼盤」で、かなり驚きました。当時(10年前)は、CDもLPもほとんど買ってなくて、雑誌なども見てないし、亡くなったのも全然知らなかったです。
でも、相変わらずレコードは良く聴いていて、コリンズのビデオも繰り返し見ていたんですが、まさか亡くなっていたとは・・・


でもその時は情報も少なくて、そのアルバムは聴いていなかったわけです。ライブ盤だったので、沢山あるから「昨日見たビデオと同じライブじゃないか」とか考えたわけです。
最近のお気に入り

The Iceman at Mount Fuji

それから10年経ちましたとさ・・・
このアルバムは92年の「マウント・フジ」でのもので、最近聴いて、音も良いし、問題の歌も何か良く聴こえるんですね。もちろんギターはすさまじいです。
それで調べてみたら、偶然にも上の「追悼盤」と同じものでした。気になってたんですよね、けっこう。

追悼盤の方は、92年(マウント・フジ)と93年(場所不明)の2つのライブから5曲ずつくらいの選曲で、下のはマウント・フジの2ステージ分みたいです。(全部英語解説文で疲れます)
同じ曲が何曲か入ってますが、ベースが替わってるみたいで、まあ、それはどうでも良いかなと。

かなりホーン・セクションが厚いので、ゴージャスな音ですが、その辺りは好みの問題なので・・・

私はAC・リードのサックスが1本でいいのですが。
サイド・ギターがかなりソロを弾いています。これがいけてます。
コリンズ相手に、しっかり弾いてるなと感じますね。

最近のお気に入り。毎日5回くらい聴いてます。

アルバート・コリンズの詳しくはこちらでも。

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最近は濁ってる方が良いかな

私の場合、自発的に聴く(CDであれLPであれ)音楽と言うと、90%くらいはブルースです。残り10%がサザン・ソウル(60年代頃)とかビ・バップのジャズ(60年代頃)です。あとロック(これも60年代)を少々と言った感じですが、そんなに意識しているのではないのですが、60年代が多いですね。元々60年代のロックからレコードを聴き始めたので、結局良い時代だったような気がします。もちろん70年代も80年代も、その当時のフージョンやファンク・ソウルなんかも聴いているのですが、2000年を過ぎた頃からは、リアルタイムで聴きたいものが無くなったと言うか、50歳も近くなったから、好きな音楽だけを聴いていたいという考えになってしまったんですね。人間いつどうなるかも分らないので、せめて好きな音楽だけは、好きなものを聴いた方が良いと思うわけです。
そんなブルースの中でも、その時々で好みと言うのは微妙に変わるもので、最近は濁ったのが良いです。とは言え、ほとんどのブルースは濁った感じがするんですが、印象(イメージ)として、特に濁ったのがあるわけです。
まあ代表格と言うと、前回書いた「ハウリン・ウルフ」とか、マディ・ウォーターズです。(マディなどは名前からして、そのまま濁ってますが)
でも、それを上回ると感じる中で、特に好きなのが「ハウンド・ドッグ・テイラー」と言う、狂気のスライド・ギターを弾く人です。

どれもいいけど、これが一番! ナチュラル・ブギ(紙ジャケット仕様)

かれのバンド「ハウスロッカーズ」のメンバーは、彼を入れて3人と言うもので、ドラムスとギターとギターです。あれ、ベースがいない?
そう、ベースなしです。それが何故かドライブしたサウンドを作り出しているから凄い!

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あらためて、フェイバリット

ビッグ・ネームのセッション

ザ・スーパー・スーパー・ブルース・バンド+5

今年が2005年で、30年くらいブルースを聴いていると言う事は、1975年頃からと言う事になるのかな?
実際は、黒人ブルースは72年頃から聴いていて、その前は白人ブルース(白人ブルースって変な言葉だな)を聴いていましたね。

と言うか、黒人のレコードと言うと、ジャズとソウルはかなり売ってましたが、ブルースとなると「BBキング」くらいしか記憶に無いですね。聴きたくても聴けなかったわけです。もしかすると、機が熟するまで聴けなかった事が幸いだったのかも・・・
もし早くに(15歳くらいで)黒人ブルースを聴いていたら、逆に深みにはまる事は無かったかもね。拒絶反応の方が強くて・・・

このアルバムは特別に好きと言うのではなかったです。30年近く前から聴いてますが、あくまでも「企画もの」として、「こんなのがあっても良いかな」くらいのものでした。


それが最近になって、この三人がセッションしてる事自体が凄いなと言うふうに思い、改めて聴いているのですが、「いいんだな~、これが」


昔は「ピュアー」でないと良くなかったんでしょうね。マディ・ウォーターズならマディの単独アルバムが良く、ハウリン・ウルフならウルフのアルバムと言うふうにですね。(もちろんボ・ディドリーもです。)

この二人に限らず、多くのブルースマンは若いロックプレイヤーとのセッションをやっていて、かなりのアルバムが出ているのですが、それはそれで楽しめます。
しかし、50年代のシカゴブルース(この辺りもこっちのサイトにあります)を代表する二人(それほど仲がいいとも思えない)が、企画物とは言え掛け合いで歌ったりしているのは、夢のような事でもあるわけです。古いブルースファンとしては・・・

蛇足のようですが、このアルバムが成立しているのは、ボ・ディドリーの存在があるからなんだと今になって気が付きました。彼の良い意味での軽さがクッションになっていて、堅物二人だけでは作れない、なごやか?なセッションを実現しているのではないかなと思うのです。

それに、マディやウルフには似合わない、ボ・ディドリーのお抱え女性コーラスの嬌声が、ミスマッチングの極致みたいで、ひじょうに面白いと感じるこの頃です。

と言うわけで、あらためてフェイバリットの一枚にしたいアルバムです。

本家サイトのハウリン・ウルフのページで取り上げてます。気が向いたら見て下さい。

ブルース

試しのブログその1

ブログについては、まだ何も解らないのですが、サイト製作は一応プロなので、やってるうちに慣れると思います。今迄「ブログ」は「BBS」のようなものなのかなと思ってました。

自分でサイトを作っていると、このようなテンプレート式の方が、かえって面倒に感じてしまうものです。(俺だけ?)

でもカレンダーが付いてたり、自分でデザインなどを考えずに済み、記事に専念するには便利かなと思い始め、取り合えずやってみようと言う次第です。


一応、本筋のサイトを運営していますので、ブルースについて詳しく知りたい方は、↓ココへ行ってみて下さい。


ブルースのPowerBlues

きままに更新していきますので、よろしくお願いしますね。


パワー・ブルース・サイトのメニュー


アルバート・キング (Albert King)


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