ブルース・ブログ5

第17話: 2005.06.27 Monday

T・ボーン・ウォーカーのファンキー・ブルース

Stormy Monday [Beat Goes On] Stormy Monday [Beat Goes On]

T-Bone Walker

Funky TownFunky Town

T-Bone Walker

パワー・ブルース本家の方で、取り上げなかったファンキーな頃のT・ボーン・ウォーカーです。60年代の後半は、非常に録音が多くて、LPからCDにどのように移行されているのかとか、ジャケットの変更や曲目を調べるのが大変で、この当時のアルバムからは、68年の「I Want a Little Girl 」のみにしていたわけです。(右サイドのお勧めアルバムの中頃にもあります)

とにかく、ブルース界きっての大物ですから、何処に行ってもセッションを組みたい人達がいたんでしょうね。まあ、そんなのに全部は付き合ってはいられませんが、時々は応じたんでしょうか?、やたらと悪いアルバムがあったりします。

この2枚は67年と68年にロサンゼルスで録音されたもので、70年代には、「Stormy Monday [Beat Goes On]」は日本でも輸入盤が売ってました。私が聴いていたのは、「Dirty Mistreater」と言うアルバム(輸入盤)で、この2枚から11曲をセレクトしたアルバムでした。

この事でも分かるように、いろんなアルバムが出ていて、ましてやCDともなると、ボーナス・トラックなどもあり、調べるのがとても難しくなります。

この2枚から選曲されたCDもあったのですが、最近は見かけないので割愛します。68年の「I Want a Little Girl 」と合わせて聴けば、60年代後半のスタジオ盤の「T・ボーン・ウォーカー」の良さが分かると思います。

 

第16話: 2005.06.26 Sunday

T・ボーン・ウォーカー(T-BONE WALKER)のライブ盤の不思議

Stormy MondayStormy Monday

T-Bone Walker

B・B・キング、アルバート・キングが最も影響を受けた人と言えば、T・ボーン・ウォーカーと言うことになりますが、あれだけ録音を残しているのに、何故かライブが少ないです。実際はあるのかも知れませんが、私が知っているのはこれだけです。

このライブは1972年のモントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)のものだと思います。と言うのは、私自身1曲につき30秒ずつしか聴けないサンプルしか聴いていないからです。でも、1972年のモントルー・ジャズ・フェスティバルである事は間違いないでしょう。(クレジットには68年と書いてあるらしいですが)

誤解の無いようお断りしておきますが、この画像のアルバムをお勧めするという事ではありません。このアルバムと同じ時(1~3日違い)の音源があると思うのです。そちらは私も30年間聴いているのでお勧めですが・・・

実は、この画像のアルバムを知ったのが昨日で、T・ボーン・ウォーカーのライブ盤が出ていないかと、ネットを探しているうちに見つけました。(全然ライブのジャケっぽくない)

と言うのも、私自身30年前に友人からT・ボーン・ウォーカーのライブ盤を借りて、カセットに録り、いまだに愛聴してるわけです。で、カセットのラベルには、曲目以外には、「72.6.17~20」とだけ書いてある・・・
これは、私が書いたんですが、ライブの日にちですね。これを手がかりに探したわけです。

私が聴いてきたものと、このアルバムのサンプルを聴き比べると、サンプルは音質などが落ちるとは言え、メンバーは同じようでも、明らかに演奏が違うし、曲目も一部は一致するけど、曲順や、出来(ノリが悪いし、全体に気に入らない)が良くないと感じたわけです。

音楽は生物みたいに、その時の気分や体調はもとより、会場の条件次第で随分と違う時があります。昨日と今日でも違うので、同じ人のものとは思えない場合が多々あります。

それで、当時の録音状況などを調べていくうちに、今迄疑問だった事が、いろいろと分かってきました。

モントルー・データベース

ネット上を探すこと数時間、やっとモントルーでの正確な出演日がわかりました。カセット・ラベルに書いてあった「72.6.17~20」は → 72年の6月17日から20日で、これは、レコードに書いてあった収録日を書き写した物だと思います。
16日にチャック・ベリーのライブにゲスト出演して、17日が間違いなく正式の「T・ボーン・ウォーカー・ブルース・バンド」の日になっています。
他にも、マディ・ウォーターズからドクター・ロスやライトニン・スリムと言ったブルースマンも出演していて、豪華で面白そうな面々が沢山出演してますね。ちなみに16日と17日は以下のようになってます。

BO DIDDLEY & COOKIE VEE WITH THE ACES (June 16, 1972, Montreux Pavillon)

CHUCK BERRY & T. BONE WALKER (SPECIAL GUEST) (June 16, 1972, Congrès Montreux)


THE ACES WITH CHUCK BERRY & BO DIDDLEY (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

T-BONE WALKER BLUES BAND (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

MUDDY WATERS (June 17, 1972, Montreux Pavillon)

ここから推測になりますが、他の日は「T-BONE WALKER BLUES BAND 」は書いていませんから、私が聴いているのは、18日~20日の3日間の演奏を収録したものと思われます。場所はわかりませんが、モントルーの街のどこかだと思います。

このアルバム(私が聴いてる方で、この画像のではない)の魅力は、少ないT・ボーン・ウォーカーのライブ盤と言うこともありますが、何と言っても、72年と言う一番面白い時代のライブであると言う事です。

初めてブルースを聴くという人は、かなり戸惑うかもしれません。演奏のルーズさや音の外れたりする感覚は、ちょっと慣れが必要かもしれません。
とにかく、各プレイヤーが好きにやっていると言った感覚で、それがファンキーな曲をさらにファンキーにしている感じです。

T・ボーン・ウォーカー自身はほとんどギターを弾かず、おそらくエレピ(電気ピアノ)を弾いていたと思います。(確かジャケットにはそんな写真があったような?)
そのエレピが妙にカッコ良いのです。何故この音源が現在発売されていないのかなと思いますね。

次回はこの時期のT・ボーン・ウォーカーの、カッコいいファンキー・ブルースのスタジオ盤です。やっぱりT・ボーン・ウォーカーは凄い!!

第15話: 2005.06.25 Saturday

B.B.キングも60年代のライブが一番!

ライヴ・アット・ザ・リーガル ライヴ・アット・ザ・リーガル

B.B.キング

結局前回、さらにその前と同じで、60年代の後半~70年代前半の音とか、スタイルが好きなんだなとつくづく思います。今でも一番聴いてるもんね、何だかんだ言って・・・

で、今更と言う気もしますが、フレディ・キングとアルバート・キングを書いたら、やっぱりこの人も書かないわけにはいかないにで、パワー・ブルース本家と同じ3枚になりますが、64年のシカゴ・リーガル劇場のこれがベストかなと思うわけです。右の「お勧め盤」のもあるけど、こっちはオリジナルのジャケット。
ジャケットも変わらない方が嬉しいですが、何故変わるのかな?

ブルース・イズ・キング ブルース・イズ・キング

こちらは、66年のシカゴのクラブでのライブ。この2枚がアルバート・キングのフィルモアにあたるかなとも思います。数年先行していますが・・・
B.B.キングは、50年代にブルースの歴史的なシングルを多数発表していますから、正統的?なバンド・ブルースのプロト・タイプと言っても良いようなライブです。
アルバート・キングはロック、ソウルとうまく結びついた感じで、甲乙付けがたいです。

クック・カウンティー・ジェイル Live in Cook County Jail (Rmst)

こちらの刑務所慰問ライブも気合が入ってます。囚人のブーイングに、しっかりとプリーチングで返していて、貫禄も充分。すでに、ブルース史上でも最大(当時)のヒット「スリル・イズ・ゴーン」も出して、自信満々と言ったところでしょう。

このすぐ後のジャパン・ライブも評判良いです。