ブルース・ブログ8

第26話: 2005.09.17 Saturday

二世ブルースマン・その二、デヴィッド・マローン

アイヴ・ガット・ドッグ・イン・アイヴ・ガット・ドッグ・イン

デヴィッド・マローン

前回の「Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia」関係とも親交があるようで、父のジュニア・キンブロー(Junior Kimbrough:1927~1998)もブルースマンで、ジュークジョイントまで経営していたようです。

で、このデヴィッド・マローンですが、6歳頃に父のジョイントでデビューしたらしいです。このアルバム(おそらく初アルバム)は1994年のリリースで、彼が30歳ということですから、1964年生まれと言う事になりますね。

やってる事は、ブルースらしくないブルースが多い感じです。変な言い方ですが、ブルースマンが好んでやるタイプのソウル、ファンク、ロックのようなタイプを多くやってます。ストレートなブルースと言った感じではないですね。

ルーファス・トーマスのドッグ物じゃないですが、犬の鳴声を真似たりしていて、なかなか面白い曲作りです。歌も押さえ気味の唱法で、良い雰囲気です。

で、どんな活動をしているのかと思ったら、何と15年間は有名な「パーチマン・ファーム(刑務所)」で服役していたらしいです。

30歳の時のアルバムと言う事は、おそらく出所してすぐにレコーディングしたのだと思いますが、32歳の時には再度服役しているらしいので、人生の半分を刑務所で過ごしている事になります。

刑務所で作った曲が2000曲あると言ってるらしいですが、確かに膨大な時間があるので、本当かもしれません。はたして、次作はあるのか・・・
ネット上で調べましたが、今のところ見つかりません。

まだ服役中なのかな???

第25話: 2005.09.09 Friday

二世ブルースマン・その一、デュエイン・バーンサイド

Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia

Duwayne Burnside & the Mississippi Mafia Live at the MintLive at the Mint

親がブルースマンで、その子供もブルースマンと言うと、ラッキー・ピーターソン(父、ジェームス・ピーターソン)、ルーリー・ベル(父、キャリー・ベル)、ロニー・ベイカーとウェイン・ベイカーのブルックス兄弟(父、ロニー・ブルックス)、エディ・テイラー・ジュニア(父、エディ・テイラー)、そして、女性ではシェメキア・コープランド(父、ジョニー・コープランド)あたりが浮かびます。

このところ、90年代から2000年になってのブルースを聴いたりしています。
そのあたりは、前々回とその前(もう、先月と先々月になってしまいましたが・・・)を見ていただくとして、U.P.ウィルソンスモーキー・ウィルソンから見ると、子供達の世代のブルースも聴きたくなってきたわけです。
(かく言う私も、その世代に近いですが・・・)

そんな中でも、最近は、南部を拠点にしている人を聴く事が多いです。
(何か、多少ワイルドかなと思いまして)

"Duwayne Burnside"は"R.L.Burnside"の子供の一人で、年齢は分かりませんが、10数人いる子供達の中では、一番素質があると、父が見込んだのかもしれません。
ヴォーカル、リード・ギターをやっていて、ジャケットも彼です。(おそらく、彼のリーダー・アルバムなので、当然と言えば当然ですが・・)

いかしたリフのファンキーなナンバーから始まり、歌も良いです。
バンドはドラムを兄弟がやっていて、ベースが"David Kimbrough Jr"(おそらくデヴィッド・マローン→次回取り上げます)
そして、キーボード、リズム・ギターと言う構成で、かなりストレートな音で好きです。まあ、今の時代の音ですから、かなりロックっぽいですが・・

それで、途中から父親"R.L.Burnside"が登場しますが、もう後は親父が仕切っている感じです。
ミシシッピー・マフィアのボスと言う感じですね。

その"R.L.Burnside"の訃報を見ました。まだ一週間ほど前の事です。
ご冥福をお祈りします。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/music/4207034.stm

第24話: 2005.08.03 Wednesday

これでもかのゲスト陣。ジョー・ルイス・ウォーカー

Great Guitars Great Guitars

コンテンポラリーなブルース(どこに線を引けば良いのか?)の代表的存在のジョー・ルイス・ウォーカーが、全曲に別々のゲストを迎えて、製作したアルバムです。1997年のもので、Great Guitarsってタイトルどおり、グレートなギタリスト達が参加してます。

このアルバムの良かったのは、ゲストは歌わず、多少の掛け合い的なところはありますが、ギターだけで参加している事かもしれません。(例外:唯一の女性ゲスト、ボニー・レイットはしっかり歌ってます)

そりゃ、聴きたい人もいます。オーティス・ラッシュとかね。
でもそれは各ソロアルバムとかで、いくらでも聴けますから、ここは、ジョー・ルイス・ウォーカーが歌いまくっているところで、統一感が取れている感じです。その分、ゲストのギターはどれもカッコ良いです。

まあ、何と言うか、主役が霞んでしまいそうなメンバーですが、そこはヴォーカル・ギターともに達者なジョーですから、問題ありません。
(もうちょっと下手でもいいのですが・・)
発売時よりも、時間を置いて聴いたほうが、良さを感じるタイプのアルバムかもしれません。
個人的には、アイク・ターナー、オーティス・ラッシュ、バディ・ガイ、マット・マーフィーとの曲が好きですが、タワー・オブ・パワーの参加はカッコ良いです。

他には、オーティス・グラントって白人ですが、この人が参加するセッションは魅力あります。

大ベテランのタジ・マハール、ロバート・ロックウッド、スコッティ・ムーア、スティーブ・クロッパー等など、凄い顔ぶれ・・・
(おっ!ゲイトマウス・ブラウンを忘れてた・・)

楽しめます!