エキサイティングなバディ・ガイ、クールなウェルズ
ディスコグラフィー
BUDDY GUY : Born:1936 JUNIOR WELLS : Born:1934 : Died:1998
バディ・ガイ(本名:ジョージ・ガイ)はルイジアナ州レッツワース(エクセル・レコードがあるバトンルージュの近く)で生まれ、10代まではここで育ったようです。ルイジアナと言っても、彼の曲にルイジアナ風なのを感じたことはありません。先に「シカゴ・ウェストサイド・ブルース」で取り上げた3人、オーティス・ラッシュやマジック・サム、フェントン・ロビンソンと比べると、ボーカルが若干大味かなと思いますが、ギターは『速弾き』と言われた名手です。
17歳頃からギターを弾き始めたらしいですから、そんなに早い方ではないですね。確かに彼は速弾きと言われますが、謙虚な言葉が多く「ラッシュやサムは上手く弾けたけど、俺はそうではなかった」などの、自信無さそうな発言があったのを憶えています。ジュニア・ウェルズとやる時も「ゴー」のサインが出るまではオトナシイ感じがします。かなりシャイな感じで良い人ですね。その反動でステージでは派手にやるみたいな・・・。
バディ・ガイも他の同世代の人と同じように、影響を受けた人として、アーバン・ブルースの「ティー・ボーン・ウォーカー」は当然としても、「ライトニン・ホプキンス」「ジョン・リー・フッカー」を上げています。この二人はエレクトリック、アコースティック、アーバン、カントリーの関係無く人気があったんですね。あと「ギター・スリム」もそんな人ですね。
57年にシカゴへ移り、翌年にはマジック・サムの紹介で「コブラ・レコード」の社長「イーライ・トスカーノ」に会い、初レコーディングをします。「SIT AND CRY (THE BLUES)」「TRY TO QUIT YOU BABY」「YOU SURE CAN'T DO」「THIS IS THE END」の4曲で、もろにB・B・キングの影響と言う感じで、「YOU SURE CAN'T DO」はギター・スリムそのままみたいです。でも若さが溢れ、切れの良さなどはあり良いテイクだと思います。マジック・サムもこの前年にコブラで録音しています。
1959年にコブラ・レコードが倒産して、元々の目標だったチェスと契約します。チェスには1960年から1967年まで在籍し、"First Time I Met The Blues"を始め、初期の代表作をリリースしました。
アルバムは、70年代まではコンスタントに出していて、ジュニア・ウェルズのアルバムでもかなり聴く事が出来ます。80年代はほとんど聴いていませんが、90年代にカムバックした"DAMN
RIGHT, I'VE GOT THE BLUES"は好盤だと思います。若き日のジミ・ヘンドリックスも彼のファンでした。
ジュニア・ウェルズ(本名:エイモス・ブラックモア: Amos Blackmore)は1934年アーカンソー州ウェスト・メンフィス生まれで、46年にはシカゴに出ており、まだ14歳の時に「ビッグ・メイシオ」「タンパ・レッド」のところでもハープを吹いていたというのですから、かなりのものだったと思います。
4歳くらい年長のリトル・ウォルターの影響を受けている感じですが、サニーボーイ・ウィリアムソン二世のような、生の音に近いハープも良いと思います。50年頃にエイシズを結成しますが、リトル・ウォルターにエイシズを取られたと聞きます。
どんな経緯かはわかりませんが、そんな頃にマディ・ウォーターズのバンドに参加しています。まだ17歳くらいですから、本当にすごい実績です。ウェルズもさることながら、マディ・ウォーターズのバンドは改めて凄いメンバーを揃えていたなと思いますね。ハープだけでも「ビッグ・ウォルター」「リトル・ウォルター」「ジェームス・コットン」「ジョージ・スミス」などもいますしね。
1998年に亡くなりましたが、直前に「ブルース・ブラザーズ2000」にも出演してました。歌もうまいし、ハープも良いし、ステージングも格好良くて、本当に素晴らしいブルースマンです。 |