Born:1918 : Died:1963 スライド・ギターで『ブルーム・スタイル』を作った人です。1918年生まれで、28歳の時に心臓病で入院しています。その後も何度か心臓マヒを起こしており、本人も『何時死ぬかわからない』と言う観念が常にあったようです。 また、それを忘れる為かいつも酒を飲んでいるような生活だったらしく、それも命を縮める事になったのかも知れません。早くから活動していますが、初録音は遅く1951年ミシシッピ州ジャクソンのトランペット・レーベルで行いました。その曲が「ダスト・マイ・ブルーム(ロバート・ジョンソンの曲)」です。この曲のヒットで一躍有名なブルースマンになりました。 わずか10年程の録音期間の多くを、従兄弟のホームシック・ジェームス(彼もギター、ベースを弾きます)と共に活動していて、1963年に心臓マヒで亡くなった時も一緒でした。その間も何度か入退院を繰り返しながら、素晴らしいブルースを多数残した、ブルースの巨人の一人です。 サックスがリフを付ける重いビートの、ダスト・マイ・ブルームに代表される、『ブルーム調』と呼ばれるスタイルは、いつも緊張感に支配されていて息がつまる程です。たたみかけるボーカルは迫力に満ちています。シカゴ・ブルース、あるいはブルース界全体で見ても、最も魂に訴えるようなブルースマンの一人だと思います。 彼のフォロワーも多く、ハウンド・ドッグ・テイラー、ジョン・リトル・ジョンと言ったスライド・プレイヤーはもとより、ビー・ビー・キング(BBキング)なども、エルモア・ジェームスのギターフレーズを好んで使っています。スライド・ギターと言うのは、ボトルネック(そのままです。ビンの首の部分をカットして、主に小指にはめて弦の上を滑らせて音程を取る奏法で、カントリー・ブルースではよく使われます)を使いますが、普通の奏法で使ってもいい感じのフレーズがけっこうあります。 ※正確にはスライド・ギターは、スチールの管とかを使う事もあり、使うものは限定されません。昔のブルースマンには「ジャック・ナイフ」を使った人もいるようです。カッコつけでちょっとやって見せるくらいでしょうね。ビンの首を使うのがボトルネック・スライドです。スチール製は楽器屋さんで売っています。昔は長いのと短いのが2本入って500円くらいだったような・・・ |