私の印象で80年代と言うと、録音のクオリティが、ほとんど頂点までいった年代だと考えています。特に85年頃になると、ライブ盤もスタジオ録音と変らない程良い音で聴かれるようになった感じがしていました。 それと共に、技術の進歩なので仕方のない事なのですが、デジタル機材による録音も増えてきて、ブルーズのように人間臭い音楽は、かなり厳しい状況だったような気がします。私も当時は、フュージョンやファンク系を主に聴いていました。 ただ、常に『良いブルーズレコードは無いかな』と言う事は、その頃もずっと念頭にありました。そんな時期に"MALACO"レーベルの一連のベテラン達のレコードを見つけて、かなりハマッたわけです。 でも、マラコの音と言うのも、時代に合わせた洗練された音ですから、ブルーズの持つ野性的魅力は少ないですから、時々は80年代の音で粗いブルーズも聴きたくなるものです。以下のアルバムは、そんな時に聴いていました。 |
ロイ・ゲインズ
(1981年)
ロイ・ゲインズ
ザ・ファンク・ブルース・ギター |
GAINELINING (RED LIGHTNIN)
ROY GAINES
当時のクルセイダーズの準メンバー(?)とのセッションアルバム。ファンク・ブルーズが聴かれます。 ゲイトマウス・ブラウンのオーキー・ドーキー・ストンプもやってます。粗い演奏もありますが、『それもライブ的で良いじゃないですか』と言う感じです。
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ゲイトマウス・ブラウン
(1981年)
Alright Again ! |
ALRIGHT AGAIN!
A:
1.FROSTY
2.STROLLIN' WITH BONES
3.GIVE ME TIME TO EXPLAIN
4.BABY TAKE IT EASY
5.SOMETIMES I SLIP
B:
1.I FEEL ALRIGHT AGAIN
2.ALLIGATOR BOOGALOO
3.DOLLAR GOT THE BLUES
4.HONEY IN THE BE-BO
5.GATE WALKS TO BOARD
脂が乗り切っている頃で、ゲイトマウス・ブラウンの全てが詰まっているような、いろんな意味で素晴らしいアルバムです。82年のグラミー賞を受賞しました。ラウンダー・レーベル移籍1作目。 |
ゲイトマウス・ブラウン
(1982年)
One More Mile |
ONE MORE MILE
1.INFORMATION BLUES
2.SONG FOR RENE (GATE'S TUNE)
3.STRANDED
4.SUNRISE CAJUN STYLE
5.BIG YARD
6.AIN'T THAT DANDY
7.ONE MORE MILE
8.I WONDER
9.FLIPPIN' OUT
10.NEAR BAKU
ラウンダー・レーベル2作目です。これも素晴らしいです。
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ラリー・デェイビス
これがありました。 Funny Stuff
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FUNNY
STUFF(ROOSTER)
LARRY DAVIS(1982)
古くはフェントン・ロビンソンと仲間だったラリーの力作。 フライング・ブイを使うブルーズマンを3人しか知りませんが、いずれも良い音を出すと思います。ブルーズ向きギターなのかな、などと感じた次第です。 丁寧に一曲、一曲をやっている感じがします。
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ロバート・クレイ
Bad Influence
→ ロバート・クレイのページへ |
BAD INFLUENCE (1983年)
1953年の8月にジョージア州のコロンバスで生まれました。 スティーヴィー・レイ・ヴォーンのところで書きましたが、1970年代の後半から80年代の前半にも、いろいろなレコードを聴いていたのですが、何かこれと言ってブルースの印象強いアルバムが無い頃でした。その様な時期に出てきたのが、 スティーヴィー・レイ・ヴォーンと、ロバート・クレイでしたね。
ハイトーンでの1作目ですが、これも大変良いアルバムです。アルバート・キングと競作となった、「PHONE BOOTH」の軽快なキレはロバート・クレイの真骨頂です。ジョニー・ギター・ワトソンの「DON'T TOUCH ME」あたりもカヴァーして、かなり自信も持ってきた感じです。 |
スティーヴィー・レイ・ヴォーン
テキサス・フラッド ブルースの洪水
→ スティーヴィー・レイ・ヴォーンのページへ
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Texas Flood(1983年)
デビュー・アルバムですが、タイトル曲の「Texas Flood」はお馴染みの曲で、ラリー・ディビスの曲ですが、フェントン・ロビンソンのテイクも良いです。「Mary Had a Little Lamb」はバディ・ガイで聴いてました。同じ感じでやってますね。
どの曲も気合が入っているのが良いです。どうしても同時期に活躍していたロバート・クレイと比べてしまうのですが、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの方がブルースに徹していますよね。あと、バンド名にもしているオーティス・ラッシュの「ダブル・トラブル」を思わせる、ヘビーなマイナー・ブルース「Dirty Pool」も良いです。 |
サム&アンスン
My Love Is Here to Stay
→ ブラックトップ・レーベルのページへ |
My Love Is Here to Stay
アンソン・ファンダーバーグの"Talk To You By Hand"が最初のアルバム・リリースとなり、アール・キング、ロバート・ウォード(元オハイオ・プレイヤーズ)、スヌークス・イーグリン、ナッピー・ブラウン、ロン・リーヴィー、ギター・ショーティー、他多くの魅力的な音楽家が在籍した「ブラックトップ・レーベル」は80年代~90年代の名盤の宝庫です。
「アンソン・ファンダーバーグ」のバンドに、黒人ボーカル・ハーピストの「サム・マイヤーズ」がフィーチャーされるようになり、充実した内容のアルバムを多数リリースしています。 |
ロニー・ブルックス
これもありました。 Hot Shot
Sweet Home Chicago Live from Chicago |
HOT
SHOT(ALLIGATOR)
LONNIE BROOKS(1983)
ロック的なアプローチのパワフルなアルバムです。ミディアム、スローなどに良さを感じます。 ブルーズブラザーズ2000で、ジュニア・ウェルズのバックをやってたのがこの人だと思うのですが(すいぶん太ってたので、?ですが)、良い音を出してました。 あの映画の中でも印象に残っているところです。・・・彼でなかったらすみません。
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マジック・スリム
これはありませんでしたが、いくつか良さそうなのがありました。 Black Tornado グラヴァル・ロード
スカッフリン
グランド・スラム |
BLUES
FROM THE
ZOO BAR(BLUE DOG)
MAGIC SLIM(1984)
ジャケットの雰囲気から期待させてくれるライブ盤ですが、4人とも決まっていて、良いライブです。 この人はアルバート・キングと同じくらい大きいですね。とにかくストレートで豪快です。同じ頃のスタジオ盤(ライブ盤でした。拍手があまりにも少ないので、勘違いしてました)はもう一つでしたが、最近の雑誌などでは好評価のアルバムがあるので、これから最近のを聴いてみたいと思います。
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ジミー・ジョンソン
これがありました。 Bar Room Preacher
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BAR ROOM PREACHER(ALLIGATOR)
JIMMY JOHNSON(1984年頃)
これはかなり良いと感じた一枚です。スタジオ録音のブルーズでは、80年代では一番気に入ってます。 このジャケットから良いと思いました。カラフルな配色の中に、地味なシャツのジミーがいる(シャレじゃないです)というのが気に入りました。中身も勿論良いです。 バックのリズムが格好良いですし、それに乗る、ジミーの頼り無いボーカルと、それにマッチしたギターのバランスが何とも言えません。 ちなみに、この人の弟はメンフィスのソウルスター、シル・ジョンソンです。ほとんど、正反対のボーカルです。
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ボビー・ラッシュ
ディープ・サウス・ファンク~ザ・ベスト
ディープ・サウス・ファンク...
ハンディ・マン
在庫1 |
GOTTA
HAVE MONEY(LA JAM)
BOBBY RUSH(1984)
この人は70年頃もファンキーなブルーズから、ストレートなブルーズまで良かったのですが、80年代もファンクなブルーズを押し進めて、成功した人だと思います。 見た通りのワイルドな感じが持ち味だと思いますが、このアルバムは少し整い過ぎかなと言う気もします。後にマラコに移籍したようですが、まだ聴いてません。 |
エディ・クリアウォーター
これはありませんでしたが、2枚ほど良いのがありました。 Blues Hang Out
Help Yourself
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FLIM
DOOZIE(DOUBLE TROUBLE)
EDDY CLEARWATER(1985年頃)
オーティス・ラッシュがゲスト参加しているので買ってみたのですが、この人の、ぶっきらぼうで迫力ある歌い方がなかなか良いです。 ふざけた感じのジャケットも良いです。サウスポー用のストラトキャスターに、右利き用のネックを付けているというところにも、何となく性格がうかがえます。
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