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セピア色の時代のブギ・ウギ・ピアノ (boogie-woogie)ミンストレル・ショー、ボードビル・ショー、ラグタイムからブギ・ウギへ時代背景の概要今回取り上げるのが、何でこの時代かと言いますと、まだあまり取り上げていなかったのと、私の好みのブルースがこの時代あたりから始まるからです。とは言っても、あまりに古い(一世紀近い)ので、それほどの数を聴いているわけではありません。 30年位前にブルースを聴き始めたころでも、もの凄い昔の事と感じました。むしろ最近になってからの方が、「良いものはいい」と言う感じで聴いています。写真や映画などで時々みかけるセピア色といった感じです。いつもはバンドものばかり聴いていますが、息抜きにピアノだけのブギ・ウギも良いものです。 ピアノ・ブルースと言っても、無数のアーティストがいます。当サイトで一番あつかっている年代は1940年代から1970年代あたりで、R&Bやシカゴ・ブルースです。ちょうど第二次大戦をはさんでいます。よく戦前ブルースと戦後ブルースで区切りをつけられたりしますが、今回はもっと古い時代の1920年代頃から取り上げたいと思います。 この頃に何が変わったかと言うと、それまでの女性ボーカルがメインであった「古典ブルース」などと言われるブルースの商業的な状況が、「シティ・ブルース」や「ブギ・ウギ」の登場で、がらりと様相が変わったというわけです。 この辺りの事は、古典とカントリーをご覧下さい。 この頃に形成されてきたスタイルにはブギ・ウギと、ピアニストの「リロイ・カー」に代表されるシティ・ブルースがあります。ブギ・ウギはブルースにとっての、普遍的とも言える演奏スタイルで、ブギ・ウギ(簡略してブギやブギーと言ったりします)のリズムは、今でもブルースには欠かせません。 また、この時代を知るキーワードとして、社会的なものとして、「第一次世界大戦」「世界恐慌」「禁酒法」などがあると思います。第一次世界大戦では、創めての黒人部隊が編成されました。この事は黒人の国家に対する意識や、自分達のアイデンテティの形成に大きな影響を与えたと思います。 また、悪名高い禁酒法はマフィアの密造酒をめぐる抗争(優秀なブルースマンも巻き添えで死んだかも?)や、非合法の酒場(法の施行前の飲み屋の数よりも、施行後の闇経営の飲み屋の数の方が倍近くあった)でのブルースマンの演奏活動などへの影響が大きかったと思われます。その最中に起こった世界恐慌も、元々最下層で貧しい階層の黒人達、ひいてはブルースのスタイルの形成にも大きな影響を与えたと思われます。 特に禁酒法は非合法の飲み屋を多数生み、その様な所で求められる音楽の多くは上品ではない方のタイプです。密造の悪い酒を飲みながら朝まで演奏をする生活を何年も続けたら、多くはろくな事はありません。 ※禁酒法は1920年から1933年まで13年間続けられた。アルコール消費量は逆に増えた。 ※世界恐慌は1929年のアメリカで突発して、1930年初めまですべての資本主義国家を襲った経済恐慌。
※時代に関係なくピアノ・ブルースが聴いてみたいと言う方は、このアルバムが見つかりました。昨年話題になったブルースの映画のサントラ盤です。 実にいろんなピアノ・ブルースが入っています。 音楽的な背景ラグタイムやショー興業1900年頃は「ラグタイム」が流行していて、ジャズの源流となると共に、ブギ・ウギの形成にも影響を与えました。元々作曲された音楽で、楽譜が販売されたラグ・タイムは、主にピアノが使われました。 ピアノはソロで弾くブギ・ウギから、弾き語りのブルースにもなり、さらに、どのジャンルでも中心となりうる楽器ですから、ギターとコンビを組んだり、ハーモニカやサックス、リズムセクションのドラムやベースが加わり、バンドスタイルでやる人もいたりと、多様なスタイルに影響しました。 また新しいメディア(映画は1895年、レコードも同じ頃、ラジオ放送は1920年)の登場前は、さまざまなショーや興業の形態があり、古くは「ミンストレル・ショー」から、「ボードビル・ショー」「サーカス」「メディシン・ショー」などで旅巡業をして、いろんなスタイルが影響しあって、ブルースも変化してきたのでしょう。 まさに、当時までは直接見たり、聴いたりするしかなかったのです。このようなショーには、ブルースマン、ブルース・バンドがほとんど一緒についていたようです。さらに、ギター・フィドル(バイオリン)・バンジョーに、黒人特有の自作の楽器などを用いたジャグ・バンドと言うのもありました。 もちろん、ラジオやレコードが出てきたからと言って、このような興業がすぐに消えていったわけではありません。 ※ラグタイムの作曲・演奏では、スコット・ジョプリンが有名です。ラグタイムは19世紀後期から20世紀初めにかけての、大衆ショー音楽を代表するものです。基本的にピアノ音楽で、ブルースの即興性とは異なり、作曲され楽譜となり売られていました。 ※ミンストレル・ショーは19世紀初頭に始まり、19世紀中頃に大流行しました。白人が顔を黒く塗り、黒人の生活などをパロディにした演劇のようなものです。19世紀後半になると、逆に黒人が同じように顔を黒く塗り、ミンストレル・ショーをやりました。白人に対する皮肉もありましたが、この興業が海外でも行われ、初期のブルース、ジャズ、古典ブルースを世界に紹介する事になりました。タップ・ダンスなどもこの頃に生まれました。 ※ボードビル・ショーは「軽演劇」「軽喜劇」などと訳されたりします。ボードビル・ブルースなどもあったようです。おそらく寸劇などで伴奏をつけていたのでしょう。(不明ですが)このような事も、総じてブルースの形成にかかわってくるのでしょう。 ※メディシン・ショーは、客寄せに何らかの芸をやり、薬を売るものです。これもいろんな事が行われていたのでしょう。 このように、さまざまな興業や大道芸などがあり、奴隷解放(1863年宣言)された黒人達は激動のなかで、彷徨い、仕事を求めて北部の工業都市、シカゴやデトロイトをめざし、その途中の交差点とも言えるメンフィスで出会い、別れを繰り返し、30年後くらいにはブルースを、さらにはジャズと言った音楽を創っていったのです。
ジャグ・バンドの楽器ブギ・ウギの人達はピアノだけが多いですが、ジャグ・バンドはギターやバンジョーの他に、自作の楽器を使いました。 バンドスタイルの代名詞ともなっているジャグとはビンの事です。一般に使われていたのは、工業用アルコールなどが入っていたものらしいですが、どのような物かはわかりません。大きめの酒のビンとか、身近なものでもいいのだと思います。陶器かガラスだと思いますが、おそらくこんなんでしょうね。ビンの口から空気を吹き込んで音を出します。つまり管楽器ですね。 ウォッシュタブ・ベースは、洗濯用のタライにモップの柄を立てて、弦を一本張ってベースにしたものです。記憶を頼りに描いてみました。こんなだったと思います。 ウォッシュボードは洗濯板をスプーンやピックのようなものを指にはめて、こすって音を出します。チャカチャカと子気味良い音がします。パーカッションですね。写真は新しいものなので、首にかけていますが、カスタムメイドでしょうね。昔の楽器の場合は木の枠があり、小さいシンバルなども付いていたりします。自作の楽器ですから、全てカスタムと言えばそうです。 あと、小さいトランペットとも言えるカズーなどもあります。今でも楽器屋さんで売っています。昔(35年前)は300円くらいでした。これは吹奏楽器みたいに吹くのではなくて、口にくわえて声を出します。するとトランペットもどきの音になります。音程はハミングと同じで、自分でメロディーをとります。けっこう面白いです。大きさは20センチくらいのものです。
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