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|ビッグ・メイシオ|ビッグ・ビル・ブルーンジー|

リロイ・カー(LEROY CARR) : 1905~1935年

1930年代シカゴ最高のコンビ
スクラッパー・ブラックウェル : 1903~1965年

ブルース・ビフォア・サンライズ(LEROY CARR)

 ブルース・ビフォア・サンライズ(紙ジャケット仕様) [LIMITED EDITION]
ブルース・ビフォア・サンライズ

 1932年から34年にニューヨーク、セントルイスで録音されたものが収められています。相棒のギター「スクラッパー・ブラックウェル」もいいです。あと、ギターで「ジョッシュ・ホワイト」も数曲参加してます。

 リロイ・カーは1905年に、テネシー州ナッシュビルで生まれ、子供の頃にインディアナ州インディアナポリスに移り住んでいます。シカゴにも近い都市で、家庭にもピアノがある環境ですから、当時の黒人としては恵まれていたと思います。ずっと一緒に活動したギターのスクラッパー・ブラックウェルは1903年にノース・キャロライナで生まれています。

 二人は10代の後半にインディアナポリスで知り合います。密造酒を作ったりしていましたが、1928年にはレコーディングを始めています。二人のレコードはどれもヒットした感じで、たりまちシティ・ブルースのスタイルとして、ピアノとギターのデュオが定着しました。

 二人とも大酒飲みで、自分でも造っていたくらいですから、浴びるほど飲んだ挙句、リロイ・カーは1935年、内蔵がやられて急死しました。スクラッパー・ブラックウェルは、そのショックから立ち直れず、ギターをやめてしまいました。

 比較的北部出身の二人ですから、南部デルタのブルースとはかなり違った雰囲気で、きちっとした歌と演奏と言う感じです。デルタ・ブルースのドロッとした重さはなく、軽快な感じがします。

 リロイ・カーはシティ・ブルースの確立者と言われますが、この頃にレコーディングしているカントリー・ブルースと言うと、ブラインド・レモン・ジェファーソンチャーリー・パットンサン・ハウスといった人達がいます。不況後にレコード業界も録音を再開して、現在も語り継がれるブルースの初期のレコードがどんどん録音され始めた時代と言えます。

 シティ・ブルースは、きっちりとした演奏が特徴で、このページで取り上げたものは、どれも名盤と言えます。曲は勿論、歌も演奏も素晴しいです。

 この後、戦後の40年代後半~50年代には、エレクトリック・ギターが人気になり、ハーモニカもアンプを使い、かなりロックに影響を与える方向になって行きます。やはり、洗練されたものにも飽きが来て、荒いサウンドが好まれるようになるのも、ひとつの周期のようなものですね。

 ジャズも、スゥイングの整った演奏から、ビ・バップのエキサイティングなものが好まれるようになるのもそうです。

シティ・ブルースのブルーバード・レーベル

ビッグ・ビル・ブルーンジー(Big Bill Broonzy) : 1898~1958年

 戦前のシカゴ・シティ・ブルースのレーベルとして有名な「ブルー・バード」は、1933年に始まりした。ギタリストでは、この人やスライドの魔術師と言われた「タンパ・レッド」が代表格でしょうか。

 戦後のマディ・ウィーターズハウリン・ウルフのエレクトリック・ブルース・バンドから 聴き始めている私などは、40年位前にオムニバス盤などで、少しばかり聴いた程度で、最近になって改めて聴いている時代です。ただ、ほんの数年くらいしか離れていないのと、マディ・ウィーターズ自身が「ビッグ・ビル・ブルーンジー」をリスペクトしていて、活動時期もかなり重なっています。

 もちろん「ビッグ・ビル・ブルーンジー」や、その周辺の人達の名前や音楽スタイルは知っているので、特別な新鮮さは無いのですが、どうも歳のせいか古いものが良いと感じる最近です。

 ブルー・バードでは、「ブルーバード・ビート」と呼ばれる軽いコギミの良い軽快なリズムがありました。それがひじょうに受けたのですが、バックを付ける人達がお互いに持ち回りと言うか、代わり映えのしないメンバーでの録音が多かったので、必然的にマンネリ的な感じとなりましたが、今聴くと当然ですが、全然気になりません。

ビッグ・ビル・ブルーンジー・1937-1940

1937-1940, Vol. 2 Big Bill Broonzy  

ビッグ・ビル・ブルーンジーも、1930年代の半ばから40年代半ばの10年間くらいが良いと思います。あと、早世したので録音は少ないですが、サニー・ボーイ・ウィリアムソン1世の伴奏も40年頃に付けていて、良い感じです。

 ビッグ・ビル・ブルーンジーの初録音は、1928年のパラマウント・レコードからの「スターベーション・ブルース」で、ジョン・トーマスとのギター・デュオです。

サニー・ボーイ・ウィリアムソン1世(ジョン・リー・・ウィリアムソン)When the Sun Goes Down, Vol. 8: Bluebird Blues
Sonny Boy Williamson (I)

 

※サニー・ボーイ・ウィリアムソン1世(ジョン・リー・・ウィリアムソン)と2世がいますが、どちらも素晴しいブルースマンです。2世(ライス・ミラー)の方が年長で、メンフィスのラジオ番組(キング・ビスケット・タイム)のDJをやっていました。

 

シティ・ブルースの継承

ビッグ・メイシオ・メリウェザー(BIG MACEO MERRIWEATHER)

1940年代シカゴ

ビッグ・メイシオ

 リロイ・カーと同じく30年位前に出ていた、もの凄く有名なアルバムです。(二枚組)シティ・ブルースの代表的なスタイルである、ピアノとギターのデュオでも、傑出した存在と言えます。

 ビッグ・メイシオは1940年代の最も影響力のあるブルース・ピアニストの1人で、1905年、アトランタで生まれたとされています。 リロイ・カーと同じ年ということになりますが、初レコーディングは10年程遅れてからです。

1941年にシカゴに出て、ギタリストのタンパ・レッド(Tampa Red)と出会います。1946年までの間、一緒に活動し多くの録音を行なっています。タンパ・レッドは洗練された美しいサウンドのスライド・ギターを弾く人で「魔術師」と呼ばれました。この頃の重要なシティ・ブルースマンです。スクラッパー・ブラックウェルとは異なり、多くの個人録音があります。

ビッグ・メイシオのピアノスタイルは、ブギ・ウギのスタイルとリロイ・カーのブルース・ピアノの両方を継承している感じです。タッチの強いプレイ・スタイルは、ブルース・ピアニスト達に強い影響を与え、50年代にマディ・ウォーターズ・バンドで活躍した、オーティス・スパンなどもその一人です。

大ヒットしたワリード・ライフ・ブルース(Worried Life Blues) はブルースのスタンダード・ナンバーと言えます。ピアニストのみならず、ビー・ビー・キングジュニア・ウェルズ他、多くの人がレパートリーにしています。

King of the Chicago Blues Piano 

 

 

タンパ・レッド(Tampa Red)

 ジョージア州アトランタ生まれですが、フロリダ州のタンパで育ったので、タンパを名乗ってます。スライド・ギターの魔術師と言われる程に、流麗なシングルラインのソロを弾きます。単独での録音も多いですが、ビッグ・メイシオとのデュオも素晴しく、さらにリロイ・カーが「ハウ・ロング・ハウ・ロング・ブルース」の大ヒットを出して、シティ・ブルースの始まりのキッカケを作った頃に、ピアニストのジョージア・トム・ドーシーとのコンビで、「イッツ・タイト・ライク・ザッと」と言うコミカルなヒット曲を出しました。

 ジョージア・トム・ドーシーは数年後にはブルースをやめて、ゴスペル音楽の世界に行ってしまいます。彼はゴスペル曲を多数作りました。

Bottleneck Guitar 1928-1937
タンパ・レッド

The Essential
トム・ドーシー

Georgia Tom (Thomas A. Dorsey) Vol. 1 (1928-1930)


MP3ファイル

 

メンフィス・ミニー (Memphis Minnie) (1900-1973)

 ニューオーリンズの対岸の町「アルジャーズ」で生れました。生年は1897年の説もあります。10歳頃にメンフィスの近くに引越して、その頃にはバンジョー、ギターをマスターし、10代の半ばには流しの仕事やサーカスの仕事もしていたそうです。  かなりの女傑なわけですが、歌もギターも力強くて当時のシティ・ブルースマン達の中に入っても、一歩もひけを取らない存在でした。  1920年代の女性ボーカルが主役だった古典ブルースが下火になり、その後の女性ブルースシンガーでは一番活躍した人かも知れません。

Hoodoo Lady 1933-37 Queen of Country Blues 1929-37

 最初の結婚相手は9歳年下のスチール・ギターの名手「ケイシー・ビル・ウェルドン」で、この人はメンフィス・ジャグ・バンドのメンバーでもありました。その後離婚し、ジョー・マッコイと再婚して「カンサス・ジョー」と「メンフィス・ミニー」のコンビで1929年から1935年に離婚するまで、かなりの録音を行っています。このコンビで1929年にレコード・デビューし「バンブル・ビー」が大ヒットしました。 1939年に、「リル・サン・ジョー」と3度目の結婚をして、1950年代までコンビやバンドとして活動します。とにかく溌剌としてカッコ良いのです。

メンフィス・ミニーの2回目の結婚相手のジョー・マッコイは、ミニーとのコンビ名ではカンザス・ジョーを名乗っていましたが、他にもハレルヤ・ジョー他、10個くらいも芸名を使ってました。どうも、いろんな活動をした人のようで、当時のミュージシャンは隠れて複数のレコーディング契約をしていることもあったようで、使い分ける必要があったのでしょう。

元々、とても器用な人で、トミー・ジョンソンのようなジャクソン・スタイルから、スキップ・ジェームスのようなベントニア・スタイルの曲もやっています。 彼は兄のチャーリー・マッコイ(マンドリン等)や、ハーブ・モランド(トランペット)、オーデル・ランド(クラリネット)、ホーレス・マルコム(ピアノ)達と、「ハーレム・ハムファッツ」と言うバンドを作っていました。

Harlem Hamfats 1 Harlem Hamfats 2 Romance in the Dark

 

1930年代のシカゴでは、ハーモニカよりも管楽器がフロントに立つことが多かったようです。 このバンドがなかなかシャレていて、シティ・ブルースとも言えると思いますが、かなりジャズの雰囲気があり、「ロゼッタ・ハワード」の伴奏などは何とも良い感じです。ジョー・マッコイとホーレス・マルコムが作った曲「Why Don't You Do Right?」は、リル・グリーンが歌って、1941年にヒットしました。

 

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Blind John Davis - Piano
Joshua Althemier - Piano
George Barnes - Guitar
Ronsom Knowling - Bass

 シティ・ブルース名盤

重要ギタリスト
ロニー・ジョンソン

 ロニー・ジョンソンはジャズの初期の頃から活動をしているので、ルイ・アームストロングをはじめ、テキサス・アレクサンダーやビクトリア・スピヴィー、クララ・スミス、スペンサー・ウィリアムスなどの伴奏・録音もあります。

ブルース・サイドから見ればブルースマン(シティ・ブルース)としてリスペクトされていて、カントリー・ブルースマンのロバート・ジョンソンや、アーバン・モダン・ブルースの元祖的なギタリスト「T・ボーン・ウォーカー」も影響を受けています。

Steppin on the Blues
1925年から1932年録音

Lonnie Johnson

Steppin on the Blues

ロニー・ジョンソン詳細

 

歴史全般がわかる 

スコセッシ・プレゼンツ

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Martin Scorsese Presents the Blues
スコセッシ・プレゼンツ

マーティン・スコセッシのプロデュースで、名監督たちが“ブルース”をテーマに作り上げた7作品のDVD-BOX。英文解説冊子付。

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Blues: a Musical Journey

 

映画監督であるスコセッシ氏は、かなりのブルース通のようで、素晴しい選曲だと思います。

長いブルースの録音からすれば、ほんのわずかな曲数(110曲)ですが、実にツボを押えた選曲です。

参考までに全曲リストと簡単な説明を作りました。

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