イースト・コースト (EAST COAST)の概要
ウエスト・コーストや、カンサス、テキサスなどの中部・西部では、ジャンプ・ブルース~R&Bの人気が根強くあり、1950年代になってもその傾向がありました。イーストコーストではジャンプブルースよりもジャズが盛んな感じでしたが、女性ボーカルのルース・ブラウンがヒットを出し、ジョー・モリス(Joe Morris)も、フェイ・アダムスなどの女性ボーカルをフィーチャーして、ヒット曲を出していました。また、コーラス・グループの台頭もあり、ジャンプ・ブルースや、アーバン的なブルースが人気の、ウエスト・コーストよりもR&Bに移行していくのが早かったようです。 1947年にアーメット・アーティガンとハーブ・エイブラムソンによってニューヨークに設立され、後に大レーベルとなる『アトランティック・レコード』も出来たばかりで、ルース・ブラウンが最初のヒット歌手になります。1952年から1959年まではレイ・チャールズが契約しており、1961年にはメンフィスのスタックス・レコードの全米配給権を得ています。ソウルをはじめ、ジャズ、ブルース、さらにはロックまで、その時々を反映した重要レーベルです。 会社は南部にフィールドトリップ(録音)に行く金も無いような発足当時ですが、時流を掴まえたと言うか、後に南部の『フェイム・スタジオ』で多くのソウル歌手を録音させ、大成功をおさめます。 その足掛かりとして、たとえばニューオリンズの『プロフェッサー・ロングヘアー』を録音するなど、かなりの目の付け所です。ニュー・オリンズの人はスペシャルティなどのウエスト・コースト録音が多く、ジョー・ターナーも最初はカンサスやウエスト・コーストで活動していました。地域的に限定する事もないですね。 また、ウエスト・コーストがジャンプ・ブルースやバラード・シンガータイプが人気で、なかなかR&Bになりきらなかったのに対し、コーラス・グループの台頭などで、イースト・コーストの方がR&Bへといち早く以降した感じがします。 私はジャンプ・ブルースのファンなので、やはりウエスト・コースト系をよく聴きますが、半世紀も過ぎてしまいますと、もうどちらでも同じ様に聴いています。どちらも「オールディーズ・バット・グッディーズ」と言う事ですね。 グループはつづく(10/26) |