60年代の女性SOUL

60年代半ば当時のアトランティックは、サザンソウルを中心とするブラック・ミュージックの最高峰として、多くのヒットシンガーを抱える人気レーベルでした。ジェリー・ウェクスラーと言う社長は、音楽屋と言うよりは商売人で、その時々の流行りを敏感に感じ取り、70年代になると下火になったソウルの歌手は、アレサ以外は残りませんでした。そのアレサもフュージョン系のバックが付くようになり、サザン・ソウルらしさは無くなります。私は70年代はそれほど好きではなく、60年代後期の録音しか聞きませんが、ここに上げたアルバムはどれも素晴しいです。フェイム・スタジオ関係の録音が多いです。
I NEVER LOVED A MAN THE WAY I LOVE YOU
ARETHA FRANKLIN
(1967)
ビリー・ホリデイ以来の歌手とも言われたアレサのアトランティック初期です。すでに、コロンビア時代にかなりのレコードを出しています。成功するのはアトランティックに移籍してからです。これは67年のマッスルショールズのFAME録音で、オーティス・レディングのカヴァー"RESPECT"やタイトル曲がヒットしました。名盤です。


LADY SOUL
ARETHA FRANKLIN
(1968)
マッスルショールズとアメリカンスタジオでの録音です。上よりも充実しているかも知れません。一曲目のジャンプナンバー"CHAIN OF FOOLS"から最後まで素晴しいの一語です。今聞いても全然古さを感じません。


TELL MAMA (CHESS)
ETTA JAMES (1967)

こちらは同時期にシカゴの『チェス・レーベル』がマッスルショールズに送った『エタ・ジェームス』です。こちらは爆裂娘とでも言いましょうか、とにかくパワフルです。ジャンプ・ナンバーも良いですが、バラードのディープさもしっかり聞かれます。個人的には、上手すぎるアレサより、荒削りなこっちが好みの私です。CD盤では68年の録音も入ってますのでお得です。


STAND BY YOUR MAN (FAME)
CANDI STATON (1971)
これは"FAME"からリリースされたもので、勿論"FAME"録音です。何とも言えない声の持ち主で、重くないハスキーボイスは、バラードで特に良さを感じます。『幻の名盤』と呼ばれていましたが、20年位前に輸入盤で2、3万円で売っていましたが、後に日本盤も出て良かったです。


UP TIGHT GOOD WOMAN (CHESS)
LAURA LEE
これもチェスがフェイムに送って録音したものと、シカゴで録音したものをまとめたベスト盤(2枚組)です。エタ・ジェームスと同じ頃ですね。67年〜69年の録音。この人は細身の身体に似合わず深い声を持っていて、実にソウルフルです。