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フレディ・キング
Freddie King

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概要

ブルース・ロック・ファンクどれも良い!

Born:1934 : Died:1976

 いつでも気合で歌い弾くフレディー・キング(本名:フレディ・クリスチャン)は、三大キングの中では一番若く、他の二人よりも10才くらい年下です。しかし、76年に42才の若さで他界しました。10才も年下でありながら、60年代のアーバン・ブルースでも特にビッグな存在である「アルバート・キング」「ビー・ビー・キング」と同列で『三大キング』と呼ばれたのですから、やはり凄い人です。

 年齢的には、オーティス・ラッシュやバディ・ガイ、マジック・サムといった、主にシカゴ・ウエストサイドで活動したブルースの世代で、実際この人も仲間だったようです。シカゴ・ブルースの第二世代と言ったりします。

 スタイルはB B キングの影響下にありますが、かなり攻撃的なギターを個性としています。インストゥルメンタルのヒットもあり、ギターへのこだわりはかなりのものです。レーベルを替りながら、スタイルを変えていきますが、最終的にはファンク味のロックという感じになりました。それがまた、一番イキイキとしています。

フレディ・キングはテキサス州~

 フレディ・キングはテキサス州ギルマーで生まれ育ち、ブラインド・レモン・ジェファーソン(Blind Lemon Jefferson)やライトニン・ホプキンス(Lightnin' Hopkins)といったカントリー・ブルースを聴いて育ったようですが、16歳くらいの時にシカゴに引越したようで、まさにマディ・ウォーターズ達が作り出すシカゴ・バンド・ブルースが全盛の頃です。当時はほとんどB・B・キングのフォロワーと言う感じで、オーディションでも似すぎていると言う理由で落とされたそうです。

 子供の頃(6歳頃)からギターを弾いていたようで、テキサスらしく「ティー・ボーン・ウォーカー」「ライトニン・ホプキンス」「ジョン・リー・フッカー」と言ったところを聴いていたようで、このあたりは同じテキサス出身のアルバート・コリンズと同じです。デルタ・スタイルでは「マディ・ウォーターズ」を聴いていたようです。

 「ブラインド・レモン・ジェファーソン」はティー・ボーン・ウォーカーが子供の頃に街頭で手を引いていたくらいですから別格として、アーバン・ブルースのエレクトリック・ギターとして「ティー・ボーン・ウォーカー」と、カントリー・ブルースのアコースティック・ギターとして「ライトニン・ホプキンス」の人気と影響は絶大です。テクニックとしてだけではなく、スピリッツのようなものですね。

1954年にシカゴへ引越~

 1954年にシカゴへ引越してウエスト・サイドでオーティス・ラッシュやマジック・サム達と親しくなり、一緒にプレイしたりしていたようです。マディ・ウォーターズ達のサウス・サイドよりも新しいサウンド(アーバン・スタイル)が出来上がり、ルーサー・アリスンなども参加してきます。

 1950年頃にもマディに会いたくてシカゴに出て、ジミー・ロジャースやエディ・テイラーとは馴染みになっていたようです。「Chess」などでレコーディング(バッキング・メンバーかな?)をしたようですが、一躍有名になるのは「Federal Records」時代で、1960年の「Have You Ever Loved a Woman.」からです。

 60年代初期にはフレディー・キングの得意とするインストゥルメンタルも録音し、かなりのヒット曲を出しています。最初のヒット「ハイダウェイ(Hide Away)」は、1961年のビルボードチャートで29位になったほどです。この頃のフレディ・キングはアメリカやイギリスの若いロック・プレーヤー達に、もの凄いインパクトを与えました。

 1968年には「Atlantic Records」傘下の「Cotillion」と契約。70年に「Shelter Records」、74年の「RSO 」と契約、1976年に心臓麻痺で42歳で亡くなりました。

お勧め1:初期のアルバム

FREDDY KING SINGS

Federal・レコード (1961年)

フレディ・キングのシングス(FREDDY KING SINGS)

FREDDY KING SINGS

このアルバムと下の「ハイド・アウェー」を合わせて選曲した感じのアルバムもありました。

Blues Hero
24曲入りで、これは良いです。 かなり楽しめそうなアルバムです。

アルバムとしてのデビュー作で、60年のものです。全曲ボーカルもので、ストレートすぎる程のブルースです。彼のベストアルバムと言っても良いと思います。やはり、これは聴いておくべきアルバムでしょう。

この10年後にかなりなロック・ギターになるのが、想像つきません。尤も、私の場合は、ロック・ギターになったフレディ・キングを先に聴いているのですが。

HIDE AWAY

Federal ・レコード(1961年代)

フレディ・キング(HIDE AWAY)

Blues Hero

上のアルバムと同じ頃のものですが、こちらはインスト曲が6曲入っています。フレディ・キングはインストのヒットがかなりあり、ギターに対する思い入れの強さがうかがえます。もちろん、もの凄いテクニックの持ち主であり、ロック・ギタリストへの影響も大きいです。

Freddie King Is a Blues Master

Atlantic/Cotillion・レコード(1969年)

フレディ・キング(MY FEELING FOR THE BLUES)

Freddie King Is a Blues Master

順序が逆になりましたが、こちらがコテリオン・レーベルの1枚目です。私自身がこちらを後で聴いたので・・・・ で、こちらの方が好みです。音色が良いのと、切れもこちらがあると思います。

コテリオンでバックをつけてるのが、キング・カーティスが率いる一派です。 

MY FEELING FOR THE BLUES

Atlantic/Cotillion・レコード(1970年)

フレディ・キング(MY FEELING FOR THE BLUES)

MY FEELING FOR THE BLUES

コテリオン・レーベル時代の70年のものです。コテリオンでの2枚目ですが、メンバーは前作からの流れで、キング・カーティスの一派で作られています。アレンジャーがダニ-・ハサウェイと言う、当時のソウル・フュージョン的な音です。

オーティス・ラッシュも同じようなコンセプトのアルバム(MOURNING IN THE MORNING)がありますが、良い曲と、そうでない曲がハッキリ出る感じがします。私としては、フレディはバリバリのギンギンが合っていると思うので、この後に遷った、シェルター~RSOレーベルの方が好きですが。

 

お勧め2:シェルター以降

WOMAN ACROSS THE RIVER

Shelter・レコード(1973年)

フレディ・キング(WOMAN ACROSS THE RIVER)

シェルターでは、これが1番好きです。タイトル曲は、フレディにぴったりで、カッコいいですね。

WOMAN ACROSS THE RIVER

このアルバムを含むシェルター時代のベスト盤です。3枚買うより良いかも?
The Best of the Shelter Years
ロック系が好きな人は必聴盤。

ロック・ピアニストである、レオン・ラッセルが作ったシェルター・レーベルからは、3枚程リリースされていると思います。完全にロックサウンドになってますが、フレディは元気なので、とても好きな1枚です。

このレーベルの頃はスタンダードなナンバーを多く取り上げているので、ブルースの有名曲を知るのにも良いかもしれません。

LARGER THAN LIFE

RSO・レコード(1975年)

フレディ・キング(LARGER THAN LIFE)

LARGER THAN LIFE

かなりギンギラにショーアップされたライブ盤(一部スタジオ録)で、このサウンドが最終形となってしまいます。RSOレーベルからは、ベスト盤のような追悼盤(上のトップに紹介)も出ています。

ロックとファンクが合体したようなRSO時代で、ブルースサイドからはあまり評価はされませんでしたが、私の場合はよく聴きました。

いつの時代でも、止まると言う事はないのですから、良い悪いは別として、音もスタイルも変化していくのは当然で、このスタイルが当時のフレディ・キングとして、私は評価しています。

実際、ロックが好きで、数年かけてブルースを聴くようになった私には、最も好みのスタイルでもありましたし、ライブでのスローの入り方などは、「非常にカッコ良い」と感じました。

亡くなる直前、74~75年頃のライブだと思いますが、アルバムを一生懸命探しましたが、書いてません。同時期のアルバート・キングと共に、ライブ盤では最も好きな1枚です。

FREDDIE KING 1934-1976

Polygram Records(1977年)

フレディー・キング(FREDDIEKING 1934-1976)

MY FEELING FOR THE BLUES

追悼盤として出たと思います。最終的にファンクっぽいロックブルースに辿り着いた感じのフレディー・キングですが、『やはりフレディーだからこそだな』と思わせるものがあります。

どちらかと言うと、『迫力はあるが、大味な感じ』のボーカルなので、結果、このスタイルが良くハマっていると思います。『こうじゃなければ、フレディーじゃない』とでも言いましょうか。エリック・クラプトンが参加してます。

後のブルースギターのサウンドにも、かなり影響を与えている、フレディ・キングのギター・サウンドを聴いておきましょう。

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