『ソウル・スターラーズ』というゴスペル・グループのリードボーカリストからソロになり57年に「Keen」レコードと契約、R&B ,POPの両チャートで1位になる"YOU SEND ME"のヒットを出します。 私も初期のリリースは詳しくなく、最近調べたところ、ソロになっての「Keen時代」「RCA時代」のどとらも、セット盤が出ていました。一枚ずつ揃えたら、とても大変なのでお勧めします。 「ソウル・スターラーズ」にサム・クックの後釜として加入したのが、ジョニー・テイラーです。 その後、サムが自ら起こしたレーベル「サー・レコード」での秘蔵っ子、ボビー・ウーマックはラスト・ソウルマンと言われるほど、80年代にも良いアルバムをリリースしました。 また、サムはウエスト・コーストのジャジーなピアノプルースマン、チャールズ・ブラウンがお気に入りだったようで、Night Beat (1963) では、「Trouble Blues 」「Fool’s Paradise」「Get Yourself Another Fool」と、3曲もカバーしています。
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キーン (Keen 1957-1960)正直なところ、正式にアルバムとしてリリースされているものがよくわかりません。(おそらく、ベスト盤・オムニバス盤を除くと4枚) |
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Sam Cooke (Keen 1958)上に掲載している3つのベスト盤とボックスセットの、真ん中の「Keen時代」の3枚セットに入っている「CD1」の前半ですが、これはヒット曲「You Send Me」も良いですし、「Summertime」「Danny Boy」と言った、スタンダード・ソングが良いです。まだ後のソウルフルな感じよりも、軽いポップな印象がありますが、これはこれで良いアルバムです。 |
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Encore (Keen 1958)このリンク先に中古盤がありますが、非常に高価ですね。CDセットが安上がりで良いと思いますね。 こちらは、「CD1」の後半ですが、タイトルが「Oh! Look At Me Now」になっていますが、元のタイトルは「Encore」だと思います。(曲の順番などからもそうだと思いますが・・・) かなり、ジャズを意識した作りで、バックバンドもジャズのビッグバンドと言った感じです。 このようなサム・クックは、最近まで聴く機会が少なかったのですが、このようなセットが出ると、聴く機会も増えてきますね。 |
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Tribute To The Lady (Keen 1959)ビリー・ホリディをカヴァーした選曲で、やはりジャズも上手いというか魅力的です。 ただサム・クックのソウル的なところが好きな人には、曲によるかなとも・・・ 私などは、これだけ歳月を隔てて聴くと、もうどれも良いものに聴こえてしまいますね。 |
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Hit Kit (Keen 1959)私などが、より「サム・クック」らしいと感じるタイプの曲が多く。 これって、当時のベスト盤ですが、選曲を見ても、ジャズではなく、ポップな方に向いていて、楽しめるアルバムです。 |
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RCA (RCA 1960-)RCAとは1960年に契約をしますが、亡くなった1964年の後もリリースされたアルバムがけっこうあるので、ここでもキーンと同じく、知るところをご紹介します。偶然にも9枚入りのBOXセットがあったので、リリースされたアルバムの全貌らしきものがわかりました。(何枚かは未聴ですが・・・) 版権の問題などもあり、CD化がされていなかったアルバムなども、ボックスセットでCD化されて、ひじょうにありがたい事だと思います。RCAでの3枚目あたりからは、制作の権利(それまでのレコード会社側からの要求が多かった)がサム自身に移り、かなりソウル的な面が出てきて良いです。
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Cooke's Tour(1960)RCAに移籍しての最初のアルバムですが、ジャズ風なコンセプトを望む会社の方針で、ちょっと物足りないです。 このあたりも、好みの問題ではあるのですが、ディープなソウルの元祖と思っている私としては、ちょっと違うなと感じます。 |
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Hits of the 50's (1960)まだ同じような路線が続いてますが、前作と同じ年に出てるので、まとめて録音されていたのかもしれません。 有名な曲がほとんどなので |
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Sam Cooke/Swing Low (1960)ヒット曲「Chain Gang」を含む、やっとサムが中心になって制作されたと思えるアルバムで、このあたりから良いアルバムが続きます。 |
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My Kind of Blues (1961)同じジャズでも、スタンダードなジャズ曲よりも、ジャズっぽい曲にジャジーなギターが絡む曲などが好きなのですが、このアルバムはタイトルのようにブルージー&ジャジーで、まさに好みに合います。 |
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Twistin' the Night Away (1962)ライブ盤とベスト盤を除いたアルバムで考えると、リズムものにおけるサムが凝縮されたような一枚で、「Twistin’ the Night Away 」「Sugar Dumpling」「Somebody’s Gonna Miss Me 」「Movin’ and a’Groovin’」「Somebody Have Mercy 」「Soothe Me」と、サム・クックらしさが堪能できるアルバムです。 |
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Mr. Soul (1963)こちらは前作とは対照的に、しっとり、じっくりと歌うタイプの曲が多いです。ちょっと甘めのストリングスが絡むアレンジですが、歌そのものは良いです。「Cry Me a River 」「 Driftin’ Blues 」あたりからは、特にソウルを感じます。 出来れば、もう少しワイルドなら嬉しいですが、それは、ライブ盤で楽しみましょう。 |
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Night Beat (1963) ブルースが好きな人は、このアルバムは気に入ると思います。チャールズ・ブラウンが好きなサムらしく、「Trouble Blues 」「Fool’s Paradise」あたりは、かなりしびれます。 |
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One Night Stand: Live at the Harlem Square Club 63 (1963)ハーレムスクエアのライブと同じものですが、内容を充実させた盤です。 キング・カーティスのサックスは最高です。クリス・ホワイトのギターもいかしてます。 |
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ここまでは、ボックスセットに入っている盤を個別にご紹介しましたが、1961年からのわずか3年間の充実は、本当に凄いですですね。まさに後々まで影響を与えたサム・クックが、この時期に残されたアルバムでしっかりと聴かれます。サム・クックの全貌が知りたい方はこちらの雑誌もあります。
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Ain't That Good News (1964)
生前最後のリリースとなったアルバムです。後にもベスト盤が出ると半分くらいの曲が選ばれるほどの名曲が揃っています。 この後も、何枚かリリースがありますが、かなりの曲数を書き溜めていたようです。 「A Change Is Gonna Come」は、いまだに歌い継がれる名曲です。この曲は黒人としての始めてのメッセージソングとも言われます。 サムがこの曲を書く契機となったのは、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を聴いた時だそうです。 |
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ライブ盤ライブ盤は2つあり、1964年にリリースされたのが左の「コパ」です。当時はこれが唯一でしたが、1984年になり見つかったのが「ハーレムスクエア」です。下の「ワンナイト・スタンド」は、「ハーレムスクエア」を再発したものです。 「コパ」はジャズ・テイストなライブで、白人向けのお店でのちょっと固い感じのライブです。 「ハーレムスクエア」は、黒人向けのひじょうにエキサイティングな、まさにサム・クックのソウルが堪能できるライブです。 |