米ローリングストーン誌が選ぶ「史上最も偉大なシンガー100人」で、トップに選ばれたのがアレサ・フランクリンです。まあ、選ぶ基準とかが難しいと思いますが、選考対象として、活動した時期的には戦後から現代まで位になると思います。ローリングストーン誌では、「ローリングストーン誌の創設者ヤン・ウェナーをはじめ、キース・リチャーズ、B.B.キングなどのアーティスト、レーベル関係者、作家、映画監督など実に180人の投票により選出された偉大なシンガー100人」と言ってます。 ジャンルはだいたい、ロック・ソウル・ブルースあたりになると思いますが、どのような取り決めがあったかは分りません。まあ、そんな中でもトップですから素晴らしい事です。 60年代半ば当時のアトランティックは、サザンソウルを中心とするブラック・ミュージックの最高峰として、多くのヒットシンガーを抱える人気レーベルでした。ジェリー・ウェクスラーと言う社長は、音楽屋と言うよりは商売人で、その時々の流行りを敏感に感じ取り、70年代になると下火になったソウルの歌手は、アレサ以外は残りませんでした。そのアレサもフュージョン系のバックが付くようになり、サザン・ソウルらしさは無くなります。私は60年代後期の録音をよく聴いていますが、70年代は時期により好みがわかれます。(などと以前は書いてましたが、最近はもうどれも良く感じてしまいます) 特に、キング・カーティスのバンドとのフィルモア・ライブは名盤と言われますが、個人的にコーネル・デュプリーのギターが好きな私は、70年代中期も良く聴いてます。 ここに上げたアルバムもどれも素晴しいです。フェイム・スタジオ関係の録音が多いです。(フェイム・スタジオはアラバマ州のマスルショールズと言う街にあるスタジオです。)
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I NEVER LOVED A MAN THE WAY I LOVE YOU (1967)ビリー・ホリデイ以来の歌手とも言われたアレサのアトランティックデビュー盤です。すでに、コロンビア時代にかなりのレコードを出していますが、大きく成功するのはアトランティックに移籍してからです。これは67年のマッスルショールズのFAME録音で、レディングのカヴァー「RESPECT」やタイトル曲がヒットしました。大名盤です。 さすがに、アレサはMP3アルバムもそこそこに揃ってますね。
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Aretha Arrives (Atlantic 1968)ローリング・ストーンズのナンバーから始まる2作目も前作からの流れで、サザン・ソウルらしい名盤です。
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LADY SOUL (1968)これは、一番好きなアルバムです。全曲良いですが、「1. Chain Of Fools 」と「10. Ain't No Way」の2曲だけでも価値あり。 とにかく、カッコいい曲が揃ってます。 |
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Aretha Now (Atlantic 1968)アトランティック通算4枚目となると、そろそろ駄作的なものもあるかなと思いますが、アレサのこの頃にはそんなのは無いです。なんとも穏やかなジャケットです。サム・クックの「5. You Send Me 」も良く、(6)(8)(9)では、サムのお弟子さん、ボビー・ウーマックがギターを弾いてます。(ボビーは、アメリカンスタジオなどでスタジオ・ミュージシャンもやっていました) |
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Aretha in Paris (1968)1968年5月、パリのオリンピア・シアターでのライブです。 ココまでのアルバムから選曲された、ヨーロッパ公演のライブ盤です。選曲がバランス良いので、ベスト盤的に聴くのも良いですね。
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Soul 69(1969)このアルバムあたりから、マッスルショールズや、メンフィスのミュージシャンを使い、サザン・ソウル的なアルバムをリリースしてきた流れもありながら、ニューヨークのミュージシャンを起用する都会的なサウンドとの混成的な方向になってきました。 と言っても、やはりジャズマンからフュージョンまで、多彩なミュージシャンが参加してるアルバムです。
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This Girl's in Love With You (1970)ほとんどが、じっくりと歌い上げる感じの仕上げで、やはり凄い歌唱力を感じます。マッスルショールズのメンバーが多く、デュアン・オールマンも参加しています。ベースにはジェリー・ジェモットが参加。かといって、派手なシンコペーションの曲があるわけではなく、あくまでもじっくりと歌い上げるアルバムになってます。
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Spirit in the Dark (1970)BBキングの「2. The Thrill Is Gone (From Yesterday's Kiss) 」をカバーしてますが、ぐっとテンポを落としたこちらもカッコいい。 けっこうブルース寄りを感じるアルバムで、私は大好きなアルバムです。
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Live at Filmore West (1971)このアルバムはややこしくて、リリース当初は、アナログのLP10曲で、バックをつけたキング・カーティス&キングピンズも同じくリリースされました。後にコンプリート盤も出ました。 そちらは、3日間のライブ全部と言うことで、人気のアルバムになっていて、今ではけっこう高価になっています。なかなか買いがたい・・・ そこに出たのがこの2枚組で、ちょうど手頃で、内容も充実しています。
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Young Gifted & Black (1972)バックのメンバーが凄いです。まあ、当時の売れっ子セッションマン達で、いろんな人のアルバムで聴くことが出来るのですが、アレサはまた格別ですね。 各パートに複数の人が参加していますが、当時、私の最も好きな人達が揃った感じです。
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