パワーブルース
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モダン・ブルースの父・ティー・ボーン・ウォーカー (T-BONE WALKER)

Born:1910年 (1913年説あり) テキサス州リンデン   Died:1975年

 

 モダンブルース・ギターの父とも呼ばれる、ティー・ボーン(T・ボーン)・ウォーカーのアルバムは、どれもそれなりに良いものばかりです。時代とともに変化していくのは当然ですが、ファンキーにしても彼一流のスタイルがあり魅力的です。

特に、1940年代の録音での、エレクトリック・ギターのフレーズの完成度には、ただ驚くのみです。現在のブルースやロックのギタリストにも、彼のフレーズがいたるところに残っています。ビー・ビー・キングアルバート・キングなどに代表される、アーバン・ブルース・スタイルのギターは、彼無しには生まれなかったでしょう。

  ではT・ボーン・ウォーカーのスタイル形成に影響を与えたのは誰かと言うと、最初にブルースに接したのはブラインド・レモン・ジェファーソン(1897年-1930)あたりのようです。まだ子供だったT・ボーン・ウォーカーは、盲目のブラインド・レモン・ジェファーソンの手を引いてあげたと言う話を聞いた事もあります。また、

 出身地のリンデンはダラスの東方に位置しますが、比較的近い所にシュリーブポートの町があります。この辺りは黒人人口が多くて50%近くありました。ですからブルースマンも多く集まり、街頭でもブラインド・レモン・ジェファーソン(1897年-1930)、ロニー・ジョンソン(1894-1970)、テキサス・アレクサンダーと言った有名な人達が歌っていたようです。

 ブルースへの入口がブラインド・レモン・ジェファーソンとして、T・ボーンの際立つ性格のギター・スタイル、すなわちエレクトリック・ギターによるシングル・ライン・ソロの形成に影響を与えたのがロニー・ジョンソンだと思われます。R&Bとジャズの要素がかなり感じられるT・ボーンのギター・スタイルが、後進に与えた影響は後々まで継承されて、現在でも多くのブルース系・ロック系のギター・フレーズに聴かれます。

 アルバート・キングとB・B・キングが「影響を受けたミュージシャン」として共通で挙げているのが、ロニー・ジョンソンとT・ボーン・ウォーカーですが、この二人はエレクトリック・ギターも早い時期から使用しています。ロニーの使い方がアコースティックのままのサウンドを効率的に増幅する音作りなのに対して、T・ボーン・ウォーカーの場合は、よりエレクトリック・ギターにしか出せない音作りをしています。

 

Tボーン・ウォーカーの影響力 

 ちなみにアーバン・ブルースを代表するBB・キングとアルバート・キングのインタビューにおける、「影響を受けた、あるいは良く聴いた人は?」の問いに、二人は下記の人達を挙げています。

アルバート・キング(1923年-1992年)
が影響を受けた人達

ブラインド・レモン・ジェファーソン(1897年-1930)

Tボーン・ウォーカー (1910-1975)(一番の影響)

ロニー・ジョンソン(1894-1970)

ライトニン・ホプキンス(1912-1982)

エルモア・ジェームス(1918-1963)

ハウリン・ウルフ(1910-1976)

 

B・B・キング(1925年-)
が影響を受けた人達

ブラインド・レモン・ジェファーソン(1897年-1930)

Tボーン・ウォーカー (1910-1975)(一番の影響)

ロニー・ジョンソン(1894-1970)

エルモア・ジェームス(1918-1963)

チャーリー・クリスチャン(1916-1942)

ジャンゴ・ラインハルト(1910-1953)

ビギニング 
(1929-1946年録音)

 

ザ・ビギニング・1929-1946

Beginning 1929-1946

 

最初期の録音

 T・ボーン・ウォーカーの最初の録音は16歳の時で、1929年に「Columbia Records」から「Oak Cliff T-Bone」と言う名前でリリースされました。1と2がその2曲で、ダグラス・ファーネルのピアノをバッキングに歌っています。ギターはまだソロらしいものは取っておらず、コードを弾くのみという感じです。この後10年くらいは録音がなく、おそらくこの時期は地方巡業などをやっていたのだと思いますが、古典ブルースの「マ・レイニー」のバッキングも数年間やっていました。

 1935年にはウエスト・コースト(ロサンゼルス)に引越して定住しています。Les Hite(レス・ハイト:アルトサックス奏者)の楽団に歌手・ギタリストで参加していました。「3. T-Bone Blues 」は1940年の録音です。

 1942年からは楽団の所属歌手ではなく、「T-Bone Walker」として自分名義での録音を開始しました。フレディ・スラック・トリオのバックに録音した「4. I Got A Break Baby 」「5. Mean Old World (彼名義の初シングル)」はT・ボーンらしさが完成されてきた事を感じる名曲です。4人と言うシンプルな構成が最高です。

 1945年にマール・ヤング楽団をバックに録音した7~16は、ビッグ・バンド・ジャズ的なアレンジを多用した曲とジャンプ的な面も見せる録音です。

 

1. Trinity River Blues
2. Wichita Falls Blues
3. T-Bone Blues
4. I Got A Break Baby
5. Mean Old World
6. Low Down Dirty Shame (Married Woman Blues)
7. Sail On Boogie
8. I'm Still In Love With You
9. You Don't Love Me Blues
10. T-Bone Boogie

11. Mean Old World Blues
12. Evening
13. My Baby Left Me (Blues)
14. Come Back To Me Baby (Blues)
15. She's Going To Ruin Me (Blues
16. I Can't Stand Being Away From You
17. No Worry Blues
18. Don't Leave Me Baby
19. Bobby Sox Blues
20. I'm Gonna Find My Baby

 

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レーベル

Black & White Record
(1943-1949)

 存続したのが1943年から1949年と言う短い期間のレーベルですが、1946年~48年に所属したT・ボーンにとっては1947年に需要な曲、「Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just as Bad)」を録音したレーベルです。同じ時期に所属していた、ジャック・マクヴィー(Jack McVea) のバンドと録音した曲は、後にキャピトルが買い取りました。

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