アルバート・キングによる、60年代のロック音楽への影響は大きい!
Born:1923 : Died:1992
私が一番聴いたと思える人で、少し多めに取り上げます。ブルースに限らず、ロックギタリストにも多大な影響を与えた人です。1960年代の後半頃のアメリカでは、アルバート・キングを知らない、ロック・ミュージシャン、特にギタリストは、まずいないと思います。 アルバート・キングは左利きの人ですが、右利き用(つまり普通のギター)と同じに弦をはった「ギブソン・フライング・V」を、ピック無しの太い指でガンガン弾きまくります。どんな曲でも常に同じようなフレーズ(これが良いのですが)を「これでもか」と言わんばかりに押し通します。まさに、パワー・ブルースですね。
独特の「間の取り方」と、「独特のタメ」を持つチョーキングを織り込んだフレーズは、今では難しいテクニックではありませんが、当時のギター弾きは、かなりの驚きで、引き付けられたと思います。 1970年頃と言うと、私は白人のブルースをよく聴いていました。ビートルズから、ストーンズ、チャック・ベリー、エリック・クラプトンがいたクリームなどを聴いて、10代の後期には、アル・クーパー、マイク・ブルームフィールドなどの、フィルモア・セッションなどをよく聴きました。 すでに、アルバート・キングも、フィルモアでライブをやっていて、それは、数年してから、やっと聴く事が出来ました。その前に、スタックスのスタジオ盤の方で聴いて、「モゴモゴ」した歌い方と、その「モゴモゴ声」と対照的な、ソリッドなイメージのギターが、聴くたびに好きになりました。 あの当時の、凄いロック・ミュージシャンからも、特に絶賛されていたマイク・ブルームフィールドが、「アルバート・キングを聴いた時は、そのギターのカッコよさに驚いた」と絶賛しています。 余談ですが、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの、『チェンジ・イット』のビデオクリップがテレビで流れていた時、イントロを聴いて『お!、アルバート・キングだ!!』と思わず言ってしまいました。それ程よく似ていましたし、それほど影響を与えてます。
(こちらにアメリカのロックについて4ページほど書いています。)
そして、同じ様な事は、スタックスのスタジオ・メンバーであり、アルバート・キングの「ボーン・アンダー・バッドサイン」でのプロデュース、ドラムのアル・ジャクソン。そして、ベースのドナルド・ダック・ダンも絶賛しています。みんな好きなんですね。
もちろん、他の人達も同じでしょう。数々の名演・名曲を生んだ、スタックス・レコードのこの人達は、「ブルース・ブラザース」でも、かなりふれましたが、本当に凄い人達なのです。私など40年経った今でも、よく聴いています。 1923年(24年説あり)にミシシッピー州サンフラワー郡インディアノーラで生まれ、育ったのは主にアーカンソー州のようです。ビー・ビー・キングもインディアノーラ近く出身で、イトコ説もありましたが、違うようです。独学でギターを覚えましたが、彼の場合、左利きでしたからかなり苦労したと思います。 南部では子供の頃から自分の楽器を持つのは少なく、誰かのを借りたりして覚えていきますから、ギターの場合、弦の張り方をそのまま(右用)でやる人が多いです。ですからコードも逆様ですし、チョーキングも押し上げではなく引き下げる事になります。でも、それが個性を生んでいる事も確かです。 スタックス時代に続々と発表された作品は、ギターのフレーズからサウンド共に、ロック系ブルースギターのお手本です。どこかで影響を受けている人が山ほどいます。私もその一人で、BBキングよりも気に入ってました。
(最近はビー・ビー・キングの方をよく聴いたりしていますが・・・)
これら以前にもアルバムは多数ありますが、60年代後半からの一連のアルバムを取り上げます。CDは全てあると思います。ちなみに、全曲エルヴィス・プレスリーのカバーと言うアルバムもあります。好みの分かれるところですので特別にお薦めはしませんが、私は好きで時々聴いています。 ついでに、すごい巨体です。最近の有名人では、格闘技の「ボブ・サップ」と同じくらいの体格です。売れる前は、アルバイトでレスラーもやっていたらしいです。(ボクサーだったかな?)録音を始める前は、ジミーリードのバンドでドラムをやっていました。 初録音は1953年に「パロット・レーベル」で、「BUD LUCK」「MERRY AWAY」の2曲をやり、シングルで35万枚くらい売れましたが、結局ギャラももらえず、「ボビン・レーベル」で1961年になり「DON'T THROW YOUR LOVE ON ME SO STRONG」を録音し、「キング・レコード」からリリースされました。R&Bチャートでは14位を記録しました。この間も8年と随分ありますが、かなりの苦労人なのです。 66年にスタックスと契約して、以後はレコードからライブから大ブレークして、まさにキングになりました。メデタシです。ちなみに、アルバートが影響を受けたという人は、アーバン系のブルースマンがよく挙げるテキサスのブルースマンが多く、「ブラインド・レモン・ジェファーソン」「T・ボーン・ウォーカー」さらにテキサス・カントリー・ブルースの「ライトニン・ホプキンス」、30年代シカゴ・シティ・ブルースの「ロニー・ジョンソン」と言ったところで、この人達は実によく挙げられる名前です。あと意外なところで「ハウリン・ウルフ」を挙げていますし、B・B・キングと同じで「エルモア・ジェームス」も挙げています。 **********************
有名な1960年代後半のフィルモアでのライブをブログに書きました。
アルバート・キングのライブ10年間~
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※アルバート・キングやBB・キングが影響を受けた人達についてはこちらで。
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