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マイク・ブルームフィールド:Mike(Michael) Bloomefield
この本の505ページから、彼の事が15ページに渡り取り上げられています。その最初の部分を引用させていただきます。 |
----以下、引用文----
マイケル・ブルームフィールドの伝説は消えることがないだろう。彼は非常に情熱的に南北戦争後のアメリカのあらゆる種類の民族音楽を再発見し、埃を払い、その多くを人々に知らしめようとしたが、彼のファンの多くはそのことに気づいていない。
それよりも人々は今なお六十年代の後期に彼をブルース・ロック・ギターの世界のスーパースターにしたアルバム「スーパー・セッション」や、「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」「エレクトリック・フラッグ」など、ブルームフィールドの持っていたさまざまなグループでのレコーディング作品をリメイクしてくれることを望んでいるようである。
「そこが問題なんだ」と彼は語る。「ここ二、三年の間に録音したレコードはほとんど販売されていないんだ。されたとしても、宣伝など全然されない。あるいは私が望むようなプロモーションを展開するお金が会社のほうにないんだろう。」~~
----以上、引用終わり---- |
上記の引用文が彼の全てを語っているような気がします。マイク・ブルームフィールドはアメリカの音楽の歴史を学び調べ、それを自分で実践していった人で、知識も演奏のスキルも並外れて高かった人だと思います。プロからも絶大な支持を受けていましたが、彼は華やかな事には関心が無く、生活も地味なものでした。
実は、私自身もブルースを本格的に好きになるキッカケは、この人のギターでした。私事で恐縮ですが、10代半ばの頃に黒人のブルース(実際に聴いたのはBB・キング、マディ・ウォーターズなどのアルバム)を聴いた時は、印象が重くてすんなりと入れませんでした。
それが、「スーパー・セッション」のマイク・ブルームフィールドのギターを聴いて、かなり馴染めたのを記憶しています。その後ルーサー・アリスンオーティス・ラッシュ、バディ・ガイ、マジック・サムと言った若手のエレクトリック・ギターのブルースにのめり込んで行ったのですが、ビートルズとストーンズから洋楽に入った私は、この人のギターでブルースに入りました。
(私自身がギター弾きなので、どうしてもギターを中心に考えてしまいますが、本当はちゃんと全部聴いてます・・) |
エレクトリック・フラッグ
Long Time Comin
1967年にマイクはポール・バターフィールド・バンドを去り、シカゴ時代の仲間(彼の周辺のメンバーは、ほとんどユダヤ系の人達です)達と、エレクトリック・フラッグを結成しました。
いかにも、1960年代後期を思い出させる、ソウル、ロック、ジャズなどの要素が混在するコンセプトで、この後に流行するブラス・ロックなどにも通じるものがあります。アル・クーパーも、「BST」を結成して、同じような試みをしています。(アルはファースト・アルバムでリーダーシップを取り、その後ヴォーカルの問題などで、すぐ脱退してます)Long Time Comin
他にも、映画のサントラ盤「Trip」もリリースしています。いかにも即興的に作った感じが強いですが、全員の演奏力や音楽性が高いので、アルバムとしては聴けますし、最後のブルース・ナンバーはマイクのギターがたっぷりと聴けます。(他にも、いくつかのサントラ盤を制作したようです・・・聴く機会がありませんが・・・)
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エレクトリック・フラッグ:メンバー
ギター: マイク・ブルームフィールド
ボーカル: ニック・グラヴナイツ
キーボード: バリー・ゴールドバーグ
ベース: ハーベイ・ブルックス
ドラム: バディ・マイルス
他、ホーンセクションや参加メンバーあり
The Band Kept Playing
The Band Kept Playing
1974年発表で、このアルバムはメンバーが再び結集して、一作だけの録音をしたものです。
マイク・ブルームフィールド、バリー・ゴールドバーグ、ニック・グレイヴナイツ、バディ・マイルスは同じですが、ベースだけはハーヴェイ・ブルックスからロジャー・トロイに替ってます。
相応の期間をおいて再結成されただけあり、全ての要素が満たされたような良いアルバムだと思います。やはり、曲が良いですし、良く知ったメンバーなので、痒い所に手が届いているんですね。 |
前ページのスーパーセッションの前に「エレクトリック・フラッグ」を結成しています。1968年5月にレコーディングされていますが、この時のメンバーはエレクトリック・フラッグのハーヴェイ・ブルックス(ベース)とバリー・ゴールドバーグ(キーボード、一部の曲に参加)、さらには、元チャーリー・マスルホワイツ・バンドのエディ・ホウ(ドラム)です。
スーパー・セッション |
マイク・ブルームフィールドが、二日間の予定が、一日だけやっていなくなったりして、後釜でステファン・スティルスが参加しています。彼の求道者的な生真面目さが、商業的な企画に対して、その様な形で悪く出てしまったのだと思います。
当時のアナログ盤のA面だけにマイクのセッションが収められていますが、1曲目の「アルバートのシャッフル」のインパクトは大きかったです。
最近聴いても、改めて良い音、フレーズ、雰囲気です。ちなみにレスポール・スタンダードの流行の一翼を担っているとも言われました。それだけ影響力のある人でした。
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マイク・ブルームフィールドの周辺
解説文は追記するとして、取り合えず今あるアルバムを探してみましたので並べてみます。 少しずつ整理していきますので・・・ つづく・・2013/1/8
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スーパー・セッション~「フィルモアの奇蹟」の成功から、アル・クーパーは続編的イベントを企画しました。会場は前回と同じくフィルモア・ウェストですが、ここはこの年に閉鎖が決まりました。参加ミュージシャンは、マーク・ナフタリン、ニック・グレイブナイツらに加え、特別ゲストにタジ・マハールとジェシ・デイヴィス。これにホーン・セクションが加わります。
下の「マイ・レイバー」の中でしか聴けなかった音源もオリジナル通りにCD化、ただ有名な1曲目の、マイクのイントロのミスでやり直した所はカットされてます。
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輸入盤 |
日本盤 |
MP3 |
これは1969年リリースの「ニック・ブラブナイツ」のファースト・ソロアルバムです。マイクとは若い頃からの仲間で、ボーカルとしては一番一緒にやっていると思います。エレクトリック・フラッグのボーカルでもあり、オーティス・ラッシュのアルバムではプロデュースもマイクと一緒にやっています。
マイクのギターもとても良いです。と言うよりも、ニックのアルバムなのに、マイクの絶頂期のギターが話題になる名盤です。 |
このアルバム以後もリリースがあります。
1969 My Labours
1973 Steelyard Blues OST (with Bloomfield; Warner)
1980 Bluestar (with H. Lewis, J. Cipollina)
1982 Monkey Medicine (with J. Cipollina)
1991 Live In Athens At The Rodon
1996 Don't Feed The Animals
1999 Kill My Brain |
Musicians:
Nick Gravenites,
Michael Bloomfield,
Mark Naftalin,
Ira Kamin, John Kahn, Bob Jones, Dino Andino, Noel Jewkis,
Gerald Oshita,
Snooky Flowers,
John Wilmeth and 'anonymous friends'
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気の合う仲間と、住んでいたサンフランシスコのライブハウスでのライブ。のびのびとプレイしています。 |
1977年 Analine / 1978年 Michael Bloomfield
2in1です。Analineはマイクが最初にアコースティックをメインにしたアルバムで、何本かのギター、バンジョー、ベース、ドラム、オルガン、ピアノ、ウクレレなどを演奏しています。
Michael Bloomfieldは、あまり作り込まない事を意識して作ったエレクトリック・バンドでのアルバムで、派手さはないですが、すっきりしたテイクが良いです。 |
右を参考にして下さい。 |
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1969年(Columbia)
マイクのソロとしては1枚目です。それにしても、68年、69年といろんなメンバー、グループ、企画でのリリースは、いかにマイクの存在がスーパースターであったかと言う事を、今更ながら感じます。 |
1973年
マイク・ブルームフィールド(g)、ジョンハモンド(vo、g)、ドクタージョン(p)。
ドクター・ジョン、ジョン・ハモンドとのコラボでリリースしたアルバム。
それほどインパクトのあるアルバムではないですが、ドクター・ジョンのアレンジらしい、ニューオリンズ的なところが良いです。
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1976年
マイク・ブルームフィールド(g)、カーマイン・アピス(d)、レイ・ケネディー(vo)、リック・グレッチ(b)、バリー・ゴールドバーグ(k)
凄腕のメンバーで結成されたが、1枚でマイクは脱退。ブルース・ギターと言うのではないけれども、良い曲が揃っていて、非常に楽しめるアルバムです。 |
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バリー・ゴールドバーグ
1974年
私の中ではかなりな名盤の扱いです。録音はマッスル・ショールズ・スタジオ。
プロデュースはボブ・ディランです。
未発表曲が2曲追加されています。ただオリジナルアルバムとは曲順が全然違いまして、ボーナス・トラックもラストに追加ではなく、曲の中に混ぜて挿入されています。
Barry Goldberg - Guitar, Keyboards, Vocals Bob Dylan - Percussion, Vocals, Producer
Barry Beckett - Keyboards Michael Bloomfield - Guitar Harrison Calloway - Trumpet
Pete Carr - Guitar, Vocals Ronnie Eades - Saxophone Roger Hawkins - Drums
Eddie Hinton - Guitar David Hood - Bass Arthur Jenkins - Percussion Jimmy Johnson - Guitar
Ralph MacDonald - Percussion Harvey Mandel - Guitar Jerry Wexler - Percussion, Producer |
Blowing My Mind/
The Barry Goldberg Blues Band 1966年
マイクの他にも、ハービー・マンデル(Harvey Mandel)といった、名ギタリストが参加しています。
ハービー・マンデルとチャーリー・マッスルホワイト等とのブルース・バンドです。 |
Two Jews Blues
「二人のユダヤ人のブルース」と言うタイトルが印象的ですが、マイクの周りのミュージシャンはほとんどユダヤ系の人たちです。
音楽に限らず、ユダヤ人の芸能的な活躍も凄いものがあります。このアルバムも、私の中では名盤の扱いですね。
「二人のユダヤ人」と言うのは、バリーとマイクだと思うのですが、このアルバムにはハービー・マンデルとデュアン・オールマンも参加している豪華メンバーです。
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CD
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DVD
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馴染みやすい
ブルースアルバム
ブルース・ブラザーズ等
ロック系との影響
1960年代
お薦めブルース一覧
ブルース編1
ブルース編2
R&B編
ソウル編
話題のDVDなど
ブルースの歴史など
**追加記事など**
マイク・ブルームフィールド
If You Love These Blues Play 'Em As You Please
If You Love These Blues Play 'Em As You Please
彼には別の面があり、ミュージシャン、ギタリストだけではなく音楽学者としてもスタンフォード大学で「音楽学」を教えていたそうです。確かにブルースの歴史についてもよく研究しています。
10年経っても、一般のファンはフィルモアのギター・プレイを「見たい・聴きたい」とライブを観に来るのでした。
彼はその事を嫌がっていましたし、伝統的なものや良いものを残したいと言うコンセプトで制作されたアルバムも、セールス的にはそれほどでもなく、そのような事も重なり、麻薬の過剰摂取へとつながり、38歳の若さで亡くなってしまいました。
その彼が一番のアルバムだと言うのが、1976年のこのアルバムですが、確かにエレクトリックもアコースティックも完成の極みという感じです。
メンバーは以下ですが、ボーカルがマイクのみと言う事は、全部マイクが歌ってるのですね。あまりうまくはないですが、ナレーションはなかなか良いです。(やたらとナレーションがあります)
メンバー
Mike Bloomfield - guitar,vocals
Ira Kamin - organ
Eric Kriss - piano
Doug Kilmer - bass
Roger Troy - bass
Tom Donlinger - drums
and some other
尚、このアルバムは1979年に発表された「Bloomfield Harris」というアルバムが追加された2in1です。
代替盤
If You Love These Blues は、ナレーションを除くと実際の曲は13曲入ってます。上に掲載したアルバムは別のアルバムが追加されていますから、ナレーションの7テイクを含むと31曲となっています。
上のアルバムがお得ですが、もしも入手できない場合は、以下のアルバムがあります。If You Love These Blues の13曲から10曲を抜粋したアルバムです。なぜ3曲を抜いたのかはわかりませんが、どうしても聴きたい場合は、これもあると言う事で。
デビュー当時のデモあり
マイク・ブルームフィールドのオーディション・テイクが5曲入ってます。ジョン・ハモンド(プロデューサーの方)のオーディションです。この後にポール・バターフィールド・ブルース・バンドに加入しています。若々しい貴重なテイク。
内容は1964年~1969年のもの。
Fathers & Sons:1968年
Fathers & Sons
ポール・バターフィールド・ブルース・バンドからポールとマイク、そしてサム・レイ(ドラム)が参加、ベースにダック・ダンと豪華なゲストで、マディ・ウォーターズがリリースしたシカゴ・バンド・ブルースの好アルバムです。もちろん、ピアノはオーティス・スパンです。スパンが癌で亡くなる1年前の録音になります。
ライト・プレイス・ロング・タイム
マーク・ナフタリンが参加している、1971年録音の、オーティス・ラッシュのベストと言っても良いアルバムです。
70年前後の比較をするのも、面白いです。
モーニング・イン・ザ・モーニング
マッスルショールズのフェイム・スタジオで制作。プロデュースにマイク・ブルームフィールドとニック・グラブナイツ。ギターにはデュアン・オールマンも参加してます。デュアンは元々、フェイムのスタジオ・ギタリストでした。
ジョン・ハモンド
よく見かけたり聞いたりする名前だと思います。それもそのはずで、二人のジョン・ハモンドがいますので、それについて簡単に書いておきます。
まず、古いほうのジョン・ハモンド(1910-1987)が、名プロデューサー(コロンビア・レコード)と言われた人で、R&Bやジャズ界、ロック、フォークなど、多くのアーティストをスカウトしました。
若い方のジョン・ハモンド(1941年生れ)は、その息子さんです。若い頃からアコースティック・ブルースをやっていました。
バリー・ゴールドバーグ
Chicago Blues Reunion
Buried Alive in the Blues
彼も「エレクトリック・フラッグ」「スーパー・セッション」「KGB」をはじめ、マイクとはいろんな絡みがあり、素晴らしいキーボード・プレーヤーです。
マイクからすると、マーク・ナフタリンかバリーかと言うくらい、必ず近くに居る存在のようです。
バリーは、もう一つバンドを継続していて、その近年のアルバムが素晴らしいです。ニック・グラブナイツもメンバーです。
ギターはハービー・マンデルで、ここにマイクが居たらな~
まあ、それは無理な相談なのですが、女性ボーカルのトレーシー・ネルソン(Tracy Nelson)がまた良いです。かなりソウルフルな良い歌が聴けます。
2004年のライブ録音でメンバーは、Barry Goldberg (Keyboads),
Harvey Mandel (Guitar)
Nick Gravenites (Vocal & Guitar),
Corky Siegel (Harp & Vocal)
Sam Lay (Drums & Vocal),
Tracy Nelson (Vocal)
ドラムは、あの「サム・レイ」ですよ。懐かしい人がここにも居た。
左の一番下の2つがそのアルバム。名盤です。
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